系統的分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/28 17:21 UTC 版)
以下の図は、テレンス・カウフマンによる言語年代学的な研究にもとづいたマヤ語族の分岐とその年代である。 マヤ語族がワステコ、ユカテコ、チョル・ツェルタル、カンホバル・チュフ、キチェ・マムの5つの語群に分かれることについては学者の意見が一致している。ただしトホラバル語はツェルタル語群に含まれるとする説とチュフ語に近いとする説が対立している。 5つの語群の関係については必ずしも学者の見解が一致しない。一般にワステコが最初に分岐し、ついでユカテコが分かれたと考えられる。一部の学者はワステコを低地マヤ(ユカテコ、チョル・ツェルタル)に近いとするが、ライル・キャンベルらはワステコと両者の類似を独立した発展あるいは分裂後の借用によるものとする。ワステコ語はほかの言語と語彙・文法の両者にわたって非常に違いが大きい。 ワステコ語群を除く4つの語群のうち、ユカテコ、チョル・ツェルタルを低地マヤ、カンホバル・チュフ、キチェ・マムを高地マヤとすることがよく行われる。低地マヤでは口蓋垂音 q qʼ が k kʼ に変化し、人称接辞の語順が高地マヤと異なるなどの共通性があるが、キャンベルらはこれを低地マヤ言語圏内における借用の結果とする。 一方、テレンス・カウフマンはチョル・ツェルタル語群とカンホバル・チュフ語群が同じ祖先から分かれたと考え、キチェ・マム語群を東部マヤ語群とするのに対して西部マヤ語群と呼んだが、このことは十分には立証されていない。
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