多細胞動物とは? わかりやすく解説

後生動物

(多細胞動物 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 04:05 UTC 版)

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後生動物
地質時代
先カンブリア時代 - 現代
分類
ドメ
イン
: 真核生物 Eukaryota
階級なし : オピストコンタ Opisthokonta
階級なし : ホロゾア Holozoa
階級なし : コアノゾア Choanozoa
階級なし : 後生動物 Metazoa
Haeckel, 1874
下位分類

後生動物(こうせいどうぶつ、Metazoa)は、生物の分類群の1つで、真核生物オピストコンタに属する。海綿動物刺胞動物左右相称動物などが含まれる。二界説での動物界から原生動物を除いたもの、五界説で動物界とされたものにほぼ等しい。

現在の後生動物

Adl et al. (2012) によれば、後生動物は、以下の3グループを含み、襟鞭毛虫を含まない。

真正後生動物には、節足動物、脊索動物を始め、主要な動物門のほとんどが属する。 Adl et al. (2012) では真正後生動物に Animalia(動物)という分類群名を充てているが、これは必ずしも広く認められたものではない。 Animalia (動物、動物界) は後生動物のシノニムとする、あるいは、オピストコンタと後生動物の間に置くこともある[要出典]

後生動物全体の単系統性はある程度信じられている。以前は海綿動物の1つないしいくつかの系統は別系統だとする説もあったが、否定されつつある。[要出典]

歴史

後生動物という分類は、1874年エルンスト・ヘッケルが定めた。ヘッケルの定義は系統的なものではなかったが、範囲は現在のものとほぼ同じである。

二界説が中心であった時代に、動物界には多細胞動物と、単細胞で運動性がある原生生物が含まれていた。この、動物扱いされていた単細胞生物を原生動物というのに対して、多細胞の動物をまとめた呼び名として後生動物が使用された。

単細胞の動物から、多細胞動物への進化を考える場合や、動物の系統を論じるときなどに使われることが多かった。現在では、原生動物門は認められず、その意味では後生動物という言葉を使う価値はほとんどない。動物界を構成しているのは多細胞動物だけである。[要説明] ただし、近年でも、動物界の一部という位置づけではないものの、Protozoa という名前の側系統的な分類群を導入している分類体系はあり (Ruggiero et al. 2015)、それの日本語として「原生動物界」という言葉が使われることはある (島野 2017)

また、側生動物 (Parazoa)[注 1]中生動物 (Mesozoa) を取りのけた多細胞動物が真の後生動物だという言いかたもあった。この場合、多細胞動物の主系列をまとめた、とでも言った意味合いになるものと思われるが、それが真のまとまりとして認められるものかどうかは別の問題である。[要出典] 2019年現在では中生動物は多細胞生物が寄生生活によって退化した結果だと考えられている。また、中生動物門自体が多系統として直泳動物門二胚動物門の2つの門に分かれ、それぞれが前口動物の門とされている。

注釈

  1. ^ 海綿動物は動物の系統関係から見て、進化の脇道に入ったものであって、真の多細胞動物ではないとの見方がある。その意味から、海綿動物を側生動物 (Parazoa) と呼ぶ場合がある。

参考文献


多細胞動物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/01 17:38 UTC 版)

繊毛」の記事における「多細胞動物」の解説

繊毛は多細胞動物にも見られる海産無脊椎動物では発生初期幼生プランクトン生活を営むものが多く、その体表面に繊毛持って運動するまた、扁形動物渦虫綱のものは、成体の体の表面繊毛をもち、これによって移動する海産無脊椎動物では、その他の濾過摂食器官繊毛を持つものもある。また、餌を粘液吸着してから繊毛使って摂食器官まで運ぶ摂食様式もあり、これは繊毛粘液摂食呼ばれる二枚貝ゴカイ仲間、その他、様々な動物この方式を採用している。また、陸上動物であっても粘膜繊毛を持つものが多々ある。 我々ヒトを含む哺乳類でも、鼻孔粘膜気管などの気道、および卵管粘膜上皮細胞表面には繊毛並び混入する異物排除などに役立っている。また、脳室の上細胞では、脳脊髄液循環役立っている。 ちなみに多細胞生物起源襟鞭毛虫であるとする説がある。襟鞭毛虫単細胞鞭毛虫で、単鞭毛周囲にそれを囲む襟構造を持つ。これが海綿動物内壁表層構成する襟細胞choanocyte)に類似しているという、両者相同性から導き出された説である。この説が事実であれば、多細胞動物の繊毛由来鞭毛である、という事になる。

※この「多細胞動物」の解説は、「繊毛」の解説の一部です。
「多細胞動物」を含む「繊毛」の記事については、「繊毛」の概要を参照ください。

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