シノニムとは? わかりやすく解説

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synonym

別表記:シノニム

「synonym」とは、同義語・類義語のことを意味する表現

「synonym」とは・「synonym」の意味

「synonym」とは、同義語・類義語という意味の英語表現である。また、生物学命名法における使われ方として異名同物異名という意味もある。「synonym」の品詞名詞である。複数形は「synonyms」と綴る。「synonym」という単語理解するうえで覚えておきたいのが、同義語類義語という言葉の意味違いについてである。同義語が、全くの同等であるという「完全一致」を意味していることに対して類義語は「似た意味をもっている」という「不完全一致」のニュアンス含んだ言葉である。両者は非常に近しい意味を持つ言葉ではあるものの、その間はこうした決定的な違いがある。そのため、「synonym」を同義語と訳すのか、もしくは類義語と訳すかにより、文脈上の理解大きく異なる点には注意する必要がある

また、「synonym」にはコンピューター用語としての側面もある。この場合2つもしくはそれ以上キー変換記憶装置同一番地変換されるようなキー」のことを指している。また、キーランダム化しているにも関わらず結局は同一アドレス生じてしまうようなレコードも「シノニム(synonym)」であり、総じて表層上の項はそれぞれ異なっているものの、実際は同じ実態持っている集合のこと指す用語となっている。

また「synonym」の派生語で「synonymy」や「synonymous」という語がある。「synonymy」は名詞、「synonymous」は形容詞である。以下にこの二つ単語の意味挙げる

「synonymy」
同義(性)
・(意味を強調のために同義語を)畳用すること
類語研究

synonymous
同義の、同意語
~と同じ意味(こと)を表して

「synonym」の発音・読み方

「synonym」の読み方カタカナ表記するならば「シィナァニィム」、もしくは「シィノォゥニム」とするのが適当である。発音記号は【sínənìm】と綴られる。音節はsyn-o-nymというように3つ区切られる読み方ポイントとしては、-no-(発音記号の【nə】の部分)を発音する際に、舌先上の前の裏につけたまま、鼻から息を抜くようにして「ヌ」と発声しそのまま「ア」という弱い音を続けて出すという点に注意すると良い

「synonym」の語源・由来

「synonym」の語源ギリシア語にある。「同じ」という意味の「syn」と、「名前」という意味を表す「onyma」という二つの語を語源として形成され言葉である。特に「onyma」というギリシア語起源とする単語数多くあり、「anonym」や「acronym」なども同じ語源であると考えられている。それぞれの意味は「anonym」が反対語、「acronym」が頭字語である。

「synonym」の類語

「synonym」の類語には、以下が挙げられる

coordinate
・(重要性・位・身分など)同等の、同格の、等位
・ (…と)同等で、同位

equivalent
・(価値数量など)同等の、同価値の、同量
同意義
・ (…と)等価値で、同等
・ (…に)相当して同価

「synonym」の対義語

「synonym」の対義語は、反対語対義語意味するantonym」である。読み方アントニム。synonymと同じ、ギリシア語の「onyma」を語源に持つ言葉であるが、synonymの「syn」の由来が「同じ」という意味のギリシア語syn」にあることに対してantonymのantoの部分に関しては、反対するという意味を持つ「ant(=anti) 」が由来となっている。以下に「antonym」の例文挙げる

・”Cold” is the antonym for ”Hot”. 「冷たいの反対語は暑い、である」

「synonym」の使い方・例文

「synonym」には様々な使い方例文がある。その「同義語」や「類義語」という意味での使用方法加え生物学命名法による使用方法コンピューター用語としての使われ方もある。以下にその例をいくつか挙げていく。

・'”Big” and “large” are synonyms.「BigLarge類義語である」
・"Car" is a synonym of "Automobile".「車は自動車同意語である」
・This word is a synonym for cute. 「この言葉かわいいの同義語である」
・Homotypic synonyms are made up of different names that have existed in the past for the same type specimen (one taxon).「同タイプ異名とは、同じタイプ標本(1分類群に対して過去存在した異なる名称で構成されるのである
・Heterotypic synonyms are based on different type specimens.「異タイプ異名は、異なタイプ標本基づいている」

シノニム【synonym】

読み方:しのにむ

同義語同意語類義語。⇔アントニム

異名

リレーショナルデータベースにおいて、あるデータ項目に対し利用者任意に付与できる別名。


シノニム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/11 23:43 UTC 版)

生物命名法におけるシノニム英語: synonym)とは、同一と見なされる分類群など)に付けられた学名が複数ある場合に、そのそれぞれをいう[1][2]。ある学名がシノニムであると言う場合、一般的な文脈では「正しい」学名[3]ではないという意味を包含していることが多いが[4]、命名規約の上では「正しい」学名もシノニムに含まれる[1][2]。「syn.」と略記されることもある。和訳は異名(旧訳では同物異名)である。

命名法上の用法

シノニムは元来「同義語」という意味であるが、生物の命名法の場合には複数あるシノニムは交換不可で、どれを使っても良いというわけではない。ある特定の分類群に対して「正しい」学名[3]は「一時点に1つだけ」であり、それはシノニムの中から命名規約に従って決定される。ただしその決定方法は分類学上の見解に依存する部分があり、そのため分類学者によってどのシノニムが「正しい」のかの判断が分かれることがよくある。また命名規約の変更により「正しい」学名が変更されることもある。

例えば、アサガオの学名にはIpomoea nilPharbitis nilがあり、これらはアサガオという1種を指す二つの名、すなわち片方はもう片方の別名であり、相互にシノニムの関係にある。しかし有効な学名は1つしか認められないので、基本的に先につけられた名(senior synonym, 古参異名・先行異名/古参シノニム・先行シノニム)が有効となり、後からつけられた名(junior synonym, 新参異名・後行異名/新参シノニム・後行シノニム)は無効となる。しかし、実際にはこのような単純な例ばかりではなく、複数の学名が指すものが本当に同一種であるかどうかといった分類学的な意見の相違などもあり、どのシノニムが有効か、研究者によって意見が異なる場合もある。

成立過程による区分

シノニムの成立には、命名法上の過程と分類学上の過程の2つがある。前者は、より古く先名権のある学名が発見されたとか、あるいは命名規約そのものが変更されたといった、純粋に命名法上の理由によって生じる。一方後者は、科学的知見の蓄積により分類群の定義限界circumscription)、位置、階級などが変更された場合である。これらは学名が対応しているタイプが同じかどうかで区別できる。

同タイプ異名(homotypic synonym)
動物命名規約と細菌命名規約では「客観異名」(objective synonym)、植物命名規約では「命名法上の異名」(nomenclatural synonym)とも呼ばれる。同じタイプ標本に対して新たな名前が再命名されることにより生じるシノニム。で表記されることがある。
以下のような例がそれにあたる。
  • 既に新種記載されているのを知らずに、あらためて記載してしまった。
  • 先につけられていた名前が別種のホモニムだと判明し、それに代わる別名をつけた。
  • 種内の変異を亜種変種と判断して記載したが、後に独立種に昇格した。
異タイプ異名(heterotypic synonym)
動物命名規約と細菌命名規約では「主観異名」(subjective synonym)、植物命名規約では「分類学上の異名」(taxonomic synonym)とも呼ばれる。元々異なるタイプ標本に対して命名された名前が、それらのタイプ標本が同じ種類だと判断されることにより生じるシノニム。同じ物に対する名前であるかどうかは研究者の立場により判断が分かれる。で表記されることがある。
以下のような例がそれにあたる。
  • 別種と判断して記載した種が、後の見直しで同種であると見なされた。
  • 種内の変異を亜種変種と判断して記載したが、それが分ける必要なしと判断された。
  • 分類体系の見直しで、属名が変更された。アサガオはこれに当たる。
最後の例では、アサガオという種のタイプ標本は同じ物だが、Ipomoea属のタイプ標本とPharbitis属のタイプ標本が同じと判断されたため生じたシノニムなので、異タイプ異名となる。

一般的な用法

命名法に関する議論と直接関わらないような一般的な文脈(たとえば教科書図鑑など)では、シノニムという語を「かつて使われていたが現在正しくない学名」という意味で用いることが多い。

たとえばニジマスはかつてSalmo属に分類されていたが、1989年Oncorhynchus属に移された[5]。そこで図鑑などでニジマスの学名Oncorhynchus mykissを記載する場合に、かつての学名を付記することが読者にとって便利である。このような場合に、

  • Oncorhynchus mykiss (syn. Salmo gairdneri)
  • Salmo gairdneriOncorhynchus mykissのシノニム

のように表記することがよくある。厳密にはOncorhynchus mykissSalmo gairdneriはどちらもお互いのシノニムであって、この表記からだけではどちらが「現在正しい」学名かを判断することはできないはずであるが、便宜上は「現在正しくない」学名をシノニムと表現することが行われている。

pro parteシノニム

分類学の文献において、pro parteシノニムという拡張された概念が用いられることがある。ある分類群を分割して新たな分類群を設けたとき、新たな分類群から見ると学名が変わったことになるが、元の分類群に付けられた学名は引き続き「正しい」という状況が生じる。この2つの分類群はもはや別個のものであるので、それぞれに付けられた学名はシノニムではない。しかし新たな分類群がかつては別の学名で呼ばれていたことを付記することは便利であるし、状況はシノニムであるときと似ているので一貫した表現が望まれる。このような場合、新たな分類群の学名を「元の分類群の一部」のシノニムであると解釈し、pro parte(ラテン語で「一部分の」の意味)またはp. p.と注記してシノニムと同様に扱うことが行われている[注釈 1]

脚注

注釈

  1. ^ pro parteという語句自体は分類群の分割とは直接関係が無く、何かを一部分に限定する際に広く使われている。ここでの説明は、分類群の分割によって変更された元の学名について表記するときに、pro parteを用いることでシノニムと一貫した表記が可能であるということ。

出典

  1. ^ a b GLOSSARY”. International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants. International Association for Plant Taxonomy (2018年6月27日). 2018年10月9日閲覧。
  2. ^ a b Glossary”. International Code of Zoological Nomenclature. International Commission on Zoological Nomenclature (1999年). 2018年10月9日閲覧。
  3. ^ a b ICNとICNPでは正名(correct name)、ICZNでは有効名(valid name)
  4. ^ Definition of synonym from Oxford Dictionaries Online, http://oxforddictionaries.com/definition/synonym 2011年11月28日閲覧。 
  5. ^ 江草周三 (1989). “ニジマスの学名の変更について”. 魚病研究 24 (2): 119-120. doi:10.3147/jsfp.24.119. 

関連項目


シノニム

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 02:58 UTC 版)

語源

英語 synonym音写

名詞

シノニム

  1. 同義語類義語

対義語




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