へいばん‐どうぶつ【平板動物】
センモウヒラムシ
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センモウヒラムシ (Trichoplax adhaerens) は、単純な風船あるいは煎餅に似た形の海産動物である。軟体性であり、直径は約0.5mm。巨大なアメーバのような見かけだが、多細胞であり、裏表の区別がある。板形動物門[1](または平板動物門、板状動物門 Placozoa)唯一の種(すなわち単型)に分類されてきたが、近年、新たな属・種も提唱されている。
- ^ 日本分類学会連合
- ^ Eitel, Michael; Francis, Warren R.; Osigus, Hans-Jürgen; Krebs, Stefan; Vargas, Sergio; Blum, Helmut; Williams, Gray A.; Schierwater, Bernd et al. (2017-10-13). “A taxogenomics approach uncovers a new genus in the phylum Placozoa” (英語). bioRxiv: 202119. doi:10.1101/202119 .
- ^ Osigus, Hans-Jürgen; Rolfes, Sarah; Herzog, Rebecca; Kamm, Kai; Schierwater, Bernd (2019-03-04). “Polyplacotoma mediterranea is a new ramified placozoan species”. Current Biology 29 (5): R148–R149. doi:10.1016/j.cub.2019.01.068. ISSN 0960-9822. PMID 30836080 .
- 1 センモウヒラムシとは
- 2 センモウヒラムシの概要
- 3 参考文献
平板動物
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詳細は「センモウヒラムシ」を参照 センモウヒラムシ Trichoplax adhaerensおよびトレプトプラクス Treptoplax reptansはともに板状の多細胞動物で、それぞれ1種が記載されているが、Tre. reptans は最初の発見から再発見されず、その存在が疑問視されている。センモウヒラムシTri. adhaerensは世界各地の暖海沿岸から報告があり、日本では白浜や沖縄で発見されているが、この種がコスモポリタンであるかは疑問である。現在は平板動物門に置かれる。 センモウヒラムシ Tri. adhaerens は1883年Franz Eilhard Schulzeによりオーストリア、グラーツの海水水槽中に発見され、トレプトプラクス Tre. reptansは1895年Francesco Saverio Monticelliによりナポリの臨海実験所の海水水槽中に発見された。センモウヒラムシは以前ヒドロクラゲ Eleutheria krohni Krumbach, 1907 のプラヌラ幼生とされ、トレプトプラクスはヒドロクラゲ Eleutheria claparedei Hartlaub, 1889のプラヌラ幼生とされた経緯がある。このような形態の類似や18SrDNAの塩基配列の比較から、2003年、キャバリエ=スミスとChaoにより刺胞動物との類縁が推測されたが、同年EnderとSchierwaterによりセンモウヒラムシと刺胞動物についてミトコンドリア16SrRNA の二次構造が比較され、刺胞動物との関連は否定された。1971年、Grellによりこれらは平板動物門 Placozoa Grell, 1971とされ、現在もそう扱われる。長らく平板動物はセンモウヒラムシのみの1属1種とされてきたが、2017年Hoilungia hongkongensisが、2019年Polyplacotoma mediterraneaが記載された。 体には背腹の区別は認められるが、左右の区別は認められない。背側の上皮細胞には油滴を含む細胞がある。背側と腹側の上皮の間には筋繊維をもつ間充織細胞がみられる。Grell &Ruthmann (1991)によればこの間充織細胞は間充織細胞同士または背腹の上皮とシナプス結合様の接着様式で連絡し合い、(他の後生動物では神経細胞が担う)細胞間の情報伝達や(他の後生動物では筋細胞が担う)収縮の機能を兼ねた働きをもつ。
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