多細胞の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 02:25 UTC 版)
動物の場合、その体は各部分の分化が激しいので、どの部分だけをとっても何か重要な器官が不足する状態であり、これを再生できなければまとまった体にはならない。よくミミズを2つに切ると、2匹になるように言われるが、実際には、前半身から後半身は再生するものの、後半身はそのまま死ぬといわれる。 再生力の強いプラナリアは、体を半分に切ると残りの部分を再生して2匹になる。野外では、体の真ん中に穴が開いて勝手にちぎれて増える分裂をときどき起こしている。ヒトデの中にも同じような方法で増えるものがある。 ミズミミズや小型の渦虫類では、体が中程で2つに分かれてもちぎれず、それぞれが完全な個体になるまでそのまま繋がったままで活動しているのがある。 一度に多数に分裂するものもある(複分裂)。刺胞動物門のミズクラゲなどクラゲの仲間では、ポリプという幼生が底面に固着してイソギンチャクのように暮らしているが、やがて縦に細長く伸び、横に多数の分かれ目ができ、次第に多数の皿を積んだような形のストロビラになり、やがてその皿がバラバラに分かれ、それぞれがエフィラという小さなクラゲ形の幼生となる。 植物の場合、どの部分を取っても独自に活動できることが多いが、先端成長を基本としているので、出来上がった部分が2つに分裂するような活動は難しい。ただ、他者によって引き裂かれることを分裂と見なすことはあり得る。
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