報告例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/25 01:54 UTC 版)
「トゥルーマン・ショー妄想」の記事における「報告例」の解説
トゥルーマン・ショー妄想の症例は、アメリカ・イギリスとその他の国で合計40件以上記録されている。ニューヨーク市のベルビュー・ホスピタル・センター(英語版)に勤務する精神科医で、ニューヨーク大学の精神医学臨床助教授でもあるジョエル・ゴールドは、兄弟のイアン・ゴールド(モントリオールのマギル大学で哲学と精神医学のリサーチ・チェアー(英語版)を務める)とともにこの妄想に関する研究を主導している。ゴールド兄弟は2002年以来、この妄想を患う十数人の人物(主に25歳から34歳の白人男性 )と接触してきた。兄弟によって報告された患者のひとりは、911テロの後、このテロ攻撃が彼の「トゥルーマン・ショー」における物語の展開ではないことを確かめるため実際にニューヨーク市を訪れた。別の患者は自らが主役の「ショー」から保護されることを求め、ロウアー・マンハッタンの連邦政府ビルに赴いた。また別の患者(インターンとしてあるリアリティ番組に関わった経験があった)は自分が密かにカメラで追跡されていると信じ込み、2004年のエレクションデーに投票を行った際、当時の大統領ジョージ・W・ブッシュが「ユダ」であると叫び、ベルビュー・ホスピタルに搬送され、ゴールドの目に留まった。 ゴールドの患者であるアッパーミドルクラス出身の陸軍退役軍人は、自由の女神によじ登ることで自らの「ショー」から解放されるという考えをもっていた。この患者は自らの妄想を説明し、「私が世界の中心であり、何百万もの人々の注目の対象であることに気がついた。……私の家族や知人は全員が俳優であり、台本に基づいて、私を世界の注目の的とするための茶番を演じている。」と述べた。 ゴールド兄弟による「トゥルーマン・ショー妄想」という妄想の命名は、ジョエル・ゴールドが当初診察した5人の患者のうち3人が、自分が知覚した経験を映画『トゥルーマン・ショー』と明確に結びつけていたことに由来する。
※この「報告例」の解説は、「トゥルーマン・ショー妄想」の解説の一部です。
「報告例」を含む「トゥルーマン・ショー妄想」の記事については、「トゥルーマン・ショー妄想」の概要を参照ください。
- 報告例のページへのリンク