トゥルーマン・ショー
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トゥルーマン・ショー | |
---|---|
The Truman Show | |
監督 | ピーター・ウィアー |
脚本 | アンドリュー・ニコル |
製作 | スコット・ルーディン アンドリュー・ニコル エドワード・S・フェルドマン アダム・シュローダー |
製作総指揮 | リン・プレシェット |
出演者 | ジム・キャリー ローラ・リニー ノア・エメリッヒ ナターシャ・マケルホーン ホランド・テイラー エド・ハリス |
音楽 | ブルクハルト・ダルウィッツ フィリップ・グラス |
撮影 | ピーター・ビジウ |
編集 | ウィリアム・M・アンダーソン リー・スミス |
製作会社 | スコット・ルーディン・プロダクションズ |
配給 | ![]() ![]() |
公開 | ![]() ![]() |
上映時間 | 103分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 英語 |
製作費 | $60,000,000 |
興行収入 | $264,118,201[1] ![]() |
配給収入 | ![]() |
『トゥルーマン・ショー』(The Truman Show)は、1998年のアメリカ映画。6月1日にロサンゼルスでワールドプレミアを開催し、6月5日に北米で公開された。
本作は興行的に成功し、世界中で2億6,400万ドルの収益を上げた。批評家からも絶賛され、第71回アカデミー賞、第56回ゴールデングローブ賞、第52回英国アカデミー賞、第25回サターン賞で多数のノミネートを獲得した。
本作はシミュレートされた現実、実存主義、サーベイランス、メタ哲学、プライバシー、リアリティ番組を探求した作品として分析されており、ディストピアフィクション、メタフィクション、心理ドラマ、ロマンティックコメディ、風刺、社会派SFの要素を特徴とするジャンル融合作品であると評される。
あらすじ
離島・シーヘブンで保険会社に勤める青年トゥルーマン・バーバンク(ジム・キャリー)は、生まれてから1度も島から出たことがない。それは子供の頃、ヨットで海へ出ていた時、一緒に乗っていた父の警告を無視して船を進め、父を亡くしたことで水恐怖症を患ってしまったことが原因だった。
ある日、彼がいつものように出勤しようとすると、空から突然ライトが降ってくる。それには「シリウス(おおいぬ座)」と書かれていたが、直後のラジオで「航空機からライトが脱落した」と報道される。その後、いつものように新聞を買ったトゥルーマンは、雑踏の中で1人のホームレスの老人を見かけるが、それは死んだはずの父だった。しかしその直後、老人は瞬く間に何者かに連れ去られてしまう。トゥルーマンはそのことを母に伝えるが、見間違いだと言って取り合ってもらえない。これをきっかけにトゥルーマンは、周囲の様子を不審に感じ始める。
実はトゥルーマンは生まれた時から人生の全てを24時間撮影されており、そのままリアリティ番組『トゥルーマン・ショー』として世界220か国で放送され続けていた。彼の住む“世界”は巨大なドーム状のセットで、太陽や月、星々も照明装置に過ぎず、雨や雷鳴などの気象も人為的な演出である。そして何より、トゥルーマン以外の人物は全て俳優であった。加えて、この番組ではCMは入らず、番組中で商品の宣伝(プロダクトプレイスメント)が行われており、親友マーロン(ノア・エメリッヒ)や妻メリル(ローラ・リニー)も日常の中でさりげなく宣伝を行っていた。
妻との乾いた生活の一方で、トゥルーマンは学生時代に出会ったローレンという女性のことが忘れられないでいた。かつて、トゥルーマンがデートに誘うと、彼女は虚構の世界に生きる彼を不憫に思って砂浜に連れ出し、ローレンとは役名で本名はシルヴィアであること、“世界”の全ては偽りであることを伝えようとした。しかしそこに彼女の父を名乗る男が現れ、彼女を連れ去った。それ以後、トゥルーマンが彼女と会うことはなかったが、彼女の言い残した言葉通り、いつか島を出て彼女を探すことを夢見ていた。
そんな中で番組側のミスが重なり、周囲の異常さを確信したトゥルーマンは真実を知ろうと行動し、すぐさま島から出ようとする。しかし、彼にとって不可解な理由やトラブルにより、どうしても島から出られない。落ち込むトゥルーマンをメリルは気遣うが、タイミング悪く不自然な宣伝をしたことで彼に詰め寄られる。そこに訪ねてきたマーロンがトゥルーマンを連れ出し、指示された通りの台詞で彼を慰めると、実は生きていたという父と再会させられる。感動の再会に世界中の視聴者は涙し、父と抱き合うトゥルーマンの姿に番組スタッフも安堵する。
翌日、いつもと変わらぬ様子を見せるトゥルーマンだったが、夜は地下室で寝るようになっていた。その違和感に気付いた番組プロデューサーのクリストフがマーロンを向かわせると、地下室にトゥルーマンの姿はなく、放送は一時中断される。やがて見つかったトゥルーマンは、ヨットに乗って島から出ていた。クリストフは嵐を発生させて引き返すように仕向けるが、トゥルーマンは諦めずヨットに体を縛り付けて抵抗する。彼の覚悟を知ったクリストフが嵐を止めさせると、やがてヨットは書割の空に激突する。トゥルーマンはついに“世界”の端へとたどり着き、出口の扉を開ける。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
---|---|---|---|
ソフト版 | フジテレビ制作版 | ||
トゥルーマン・バーバンク | ジム・キャリー | 堀内賢雄 | 宮本充 |
クリストフ | エド・ハリス | 納谷六朗 | 堀勝之祐 |
メリル・バーバンク / ハンナ・ジル | ローラ・リニー | 佐々木優子 | 高島雅羅 |
マーロン / ルイス・コルトラン | ノア・エメリッヒ | 中田和宏 | 山野井仁 |
ローレン・ガーランド / シルビア | ナターシャ・マケルホーン | 渡辺美佐 | 五十嵐麗 |
アンジェラ・バーバンク | ホランド・テイラー | 定岡小百合 | |
カーク・バーバンク | ブライアン・ディレイト | 稲葉実 | 田中正彦 |
過去のトゥルーマン | ブレア・スレイター | ||
ローレンス | ピーター・クラウス | 古田信幸 | |
ヴィヴィアン | ハイジ・シャンツ | ||
ロン | ロン・テイラー | ||
ドン | ドン・テイラー | ||
ディレクター | ポール・ジアマッティ | 大川透 | 桐本琢也 |
ディレクター | アダム・トメイ | ||
マイク・マイケルソン | ハリー・シェアラー | 田原アルノ | |
クロエ | ウナ・デーモン | 榎本智恵子 | |
ネットワーク・エグゼクティヴ | フィリップ・ベイカー・ホール | 長島雄一 | |
ネットワーク・エグゼクティヴ | ジョン・プレシェット | ||
キーボード・アーティスト | フィリップ・グラス | ||
バーのウェイトレス | オーラン・ジョーンズ | ||
日本人視聴者 | ユウジ・オクモト | 青山穣 | |
その他声の出演 | 宝亀克寿 中博史 水野龍司 星野充昭 伊藤栄次 喜田あゆ美 鈴木紀子 川中子雅人 岩本裕美子 |
藤本譲 野島昭生 鳥海勝美 木藤聡子 小林由美子 斎藤志郎 樫井笙人 宗矢樹頼 森うたう 菊池いづみ 宝亀克寿 藤原美央子 荒井静香 乃村健次 岩崎ひろし 菅原正志 |
|
日本語版製作スタッフ | |||
演出 | 伊達康将 | 鍛治谷功 | |
翻訳 | 桜井裕子 | 木村純子 | |
調整 効果 |
栗林秀年 | ||
制作協力 | 高柴隆一 (HEATHER) |
||
制作 | 東北新社 | ムービーテレビジョン | |
初回放送 | 2006年8月10日 テレビ東京 午後のロードショー 13:30-15:30[2] |
評価
本作は批評家から非常に高い評価を受けている。特に斬新なコンセプト、コメディ中心だったジム・キャリーの新境地となるシリアスな演技、ピーター・ウィアーの演出が高く評価された。
批評集積サイトRotten Tomatoesでは、162件のレビューのうち94%が肯定的な評価で、平均評価は10点満点中8.5点となっている。同サイトの評論は、「面白く、心温まる、そして考えさせられる映画『トゥルーマン・ショー』は、セレブの暴走文化と、一般人のプライベートな詳細への飽くなき渇望を持つ国民性という、驚くほど先見の明のあるビジョンによって、より一層注目に値する」としている[3]。 加重平均を採用するMetacriticは、30人の批評家による評価に基づき、100点満点中90点という「普遍的な称賛」の評価を与えている[4]。
ロジャー・イーバートはこの映画に満点の4つ星評価を与え、『フォレスト・ガンプ』と比較し、コメディとドラマのバランスが絶妙だと述べた。彼はジム・キャリーのドラマチックな演技にも感銘を受けた[5]。 ロサンゼルス・タイムズのケネス・トゥランは、「『トゥルーマン・ショー』は、鋭い風刺的な疑問を投げかけ、多くの笑いを誘う力を失うことなく、感情を揺さぶる作品だ。業界の標準的な基準内で美しく仕上げられているにもかかわらず、不安を掻き立てる稀有な映画だ」と評した。 彼は本作を1998年のベスト映画に選んだ[6]。 2010年6月、エンターテインメント・ウィークリー誌は本作の主人公・トゥルーマンを「過去20年間の最も偉大なキャラクター100人」の1人に選出した[7]。
ジェームズ・ベラルディネッリはこの映画の「特殊効果を使った普通の夏の大作映画ではない」というアプローチを気に入り、キャリーの「(カリスマ性があり)控えめで効果的な」演技をトム・ハンクスやジェームズ・スチュワートの演技に例えた[8]。 シカゴ・リーダーのジョナサン・ローゼンバウムは「紛れもなく挑発的で、それなりに面白い『トゥルーマン・ショー』は、コンセプトが巧妙でありながら愚かでもある、ハイコンセプトの映画の一つだ」と書いた[9]。フィルム・スレットのトム・ミークは、この映画は十分に面白くはないが、それでも「風変わりな物腰に何かやりがいがある」と述べた[10]。
受賞
本作は世界の映画賞で41の受賞のほかに69のノミネーションを得た。
賞 | カテゴリ | 候補者 | 結果 | 参照 |
---|---|---|---|---|
アカデミー賞 | 監督賞 | ピーター・ウィアー | ノミネート | [11] |
助演男優賞 | エド・ハリス | ノミネート | ||
脚本賞 | アンドリュー・ニコル | ノミネート | ||
アメリカン・コメディ・アワード | 映画部門最も面白い俳優(主演)賞 | ジム・キャリー | ノミネート | |
ASCAP映画テレビ音楽賞 | 興行収入トップの映画 | ブルクハルト・ダルヴィッツとフィリップ・グラス | 受賞 | |
オーストラレーシア・パフォーミング・ライツ協会賞 | 映画音楽賞 | ブルクハルト・ダルヴィッツ | ノミネート | |
オーストラリア映画協会賞 | 外国映画賞 | ピーター・ウィアーとスコット・ルーディン | 受賞 | |
ブロックバスター・エンターテイメント・アワード | 男優賞(ドラマ部門) | ジム・キャリー | ノミネート | |
ドラマ部門助演男優賞 | エド・ハリス | 受賞 | ||
ドラマ部門助演女優賞 | ローラ・リニー | ノミネート | ||
英国アカデミー賞 | 作品賞 | スコット・ルーディン、アンドリュー・ニコル、エドワード・S・フェルドマン、アダム・シュローダー | ノミネート | [12] |
監督賞 | ピーター・ウィアー | 受賞 | ||
助演男優賞 | エド・ハリス | ノミネート | ||
オリジナル脚本賞 | アンドリュー・ニコル | 受賞 | ||
撮影賞 | ピーター・ビジウ | ノミネート | ||
美術賞 | デニス・ガスナー | 受賞 | ||
視覚効果賞 | マイケル・J・マカリスター、ブラッド・キューン、クレイグ・バロン、ピーター・チェズニー | ノミネート | ||
英国撮影監督協会賞 | 劇場公開映画における撮影賞 | ピーター・ビジオウ | ノミネート | [13] |
シカゴ映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | [14] | |
監督賞 | ピーター・ウィアー | ノミネート | ||
主演男優賞 | ジム・キャリー | ノミネート | ||
脚本賞 | アンドリュー・ニコル | ノミネート | ||
オリジナルスコア賞 | ブルクハルト・ダルヴィッツ | 受賞 | ||
クロトルディス賞 | 脚本賞 | アンドリュー・ニコル | ノミネート | [15] |
衣装デザイナー組合賞 | 映画衣装デザイン優秀賞 | マリリン・マシューズ | ノミネート | [16] |
放送映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | ||
ダラス・フォートワース映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | ||
主演男優賞 | ジム・キャリー | 受賞 | ||
全米監督組合賞 | 映画における優れた監督賞 | ピーター・ウィアー | ノミネート | [17] |
エンパイア賞 | 作品賞 | ノミネート | [18] | |
ヨーロッパ映画賞 | 非ヨーロッパ映画賞 | ピーター・ウィアー | 受賞 | |
オーストラリア映画批評家協会賞 | 外国映画賞 | 受賞 | ||
フロリダ映画批評家協会賞 | 監督賞 | ピーター・ウィアー | 受賞 | |
フォトグラマス・デ・プラタ | 外国映画賞 | 受賞 | ||
ゴールデングローブ賞 | 作品賞(ドラマ部門) | ノミネート | [19] | |
主演男優賞 (ドラマ部門) | ジム・キャリー | 受賞 | ||
助演男優賞 | エド・ハリス | 受賞 | ||
監督賞 | ピーター・ウィアー | ノミネート | ||
脚本賞 | アンドリュー・ニコル | ノミネート | ||
作曲賞 | ブルクハルト・ダルヴィッツとフィリップ・グラス | 受賞 | ||
ゴールデンリール賞 | 音響編集賞(外国映画部門) | リー・スミス、カリン・ウィッティントン、リック・ライル、ピーター・タウンエンド、ティム・ジョーダン、 アンドリュー・プレイン、ニコラス・ブレスリン、モーリーン・ロッドバード・ビーン |
ノミネート | |
ヒューゴ賞 | ドラマティックプレゼンテーション | ピーター・ウィアーとアンドリュー・ニコル | 受賞 | [20] |
キッズ・チョイス・アワード | 好きな映画俳優 | ジム・キャリー | ノミネート | |
ロンドン映画批評家協会賞 | 今年の映画 | 受賞 | ||
年間監督 | ピーター・ウィアー | 受賞 | ||
年間脚本家 | アンドリュー・ニコル | 受賞 | ||
ロサンゼルス映画批評家協会賞 | 美術賞 | デニス・ガスナー | 次点 | [21] |
ムービーガイド賞 | グレース賞 | ジム・キャリー | 受賞 | |
MTV映画賞 | 映画賞 | ノミネート | ||
男性パフォーマンス賞 | ジム・キャリー | 受賞 | ||
ナストロ・ダルジェント | 外国人監督賞 | ピーター・ウィアー | ノミネート | |
男性吹替賞 | ロベルト・ペディチーニ (ジム・キャリーの吹き替え) | 受賞 | ||
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 | 助演男優賞 | エド・ハリス | 受賞 | |
オンライン映画テレビ協会賞 | 作品賞 | スコット・ルーディン、アンドリュー・ニコル、エドワード・S・フェルドマン、アダム・シュローダー | ノミネート | [22] |
ドラマ作品賞 | ノミネート | |||
監督賞 | ピーター・ウィアー | ノミネート | ||
主演男優賞 | ジム・キャリー | ノミネート | ||
ドラマ主演男優賞 | ノミネート | |||
助演男優賞 | エド・ハリス | ノミネート | ||
オリジナル脚本賞 | アンドリュー・ニコル | ノミネート | ||
撮影賞 | ピーター・ビジウ | ノミネート | ||
編集賞 | ウィリアム・M・アンダーソンとリー・スミス | ノミネート | ||
美術賞 | デニス・ガスナーとナンシー・ヘイ | ノミネート | ||
ドラマ音楽賞 | ブルクハルト・ダルヴィッツとフィリップ・グラス | 受賞 | ||
最高のサウンド | ノミネート | |||
アンサンブル賞 | ノミネート | |||
ドラマアンサンブル賞 | ノミネート | |||
ベストタイトルシーケンス | 受賞 | |||
最高の映画の瞬間 | 「トゥルーマンはクリストフと話した後、自らの運命を決める」 | ノミネート | ||
映画殿堂:作品 | 受賞 | |||
オンライン映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | [23] | |
監督賞 | ピーター・ウィアー | ノミネート | ||
助演男優賞 | エド・ハリス | ノミネート | ||
脚本賞 | アンドリュー・ニコル | 受賞 | ||
編集賞 | ウィリアム・M・アンダーソンとリー・スミス | ノミネート | ||
ロバート賞 | アメリカ映画賞 | ピーター・ウィアー | 受賞 | |
サテライト賞 | アートディレクション | デニス・ガスナー | 受賞 | [24] |
サターン賞 | ファンタジー映画 | 受賞 | [25] | |
主演男優賞 | ジム・キャリー | ノミネート | ||
助演男優賞 | エド・ハリス | ノミネート | ||
監督賞 | ピーター・ウィアー | ノミネート | ||
脚本賞 | アンドリュー・ニコル | 受賞 | ||
サウス・イースタン映画批評家協会賞 | 作品賞 | 3rd Place | [26] | |
監督賞 | ピーター・ウィアー | ノミネート | ||
助演男優賞 | エド・ハリス | 受賞 | ||
トルコ映画批評家協会賞 | 外国映画賞 | 3rd Place | ||
バリャドリッド国際映画祭 | ゴールデンスパイク | ピーター・ウィアー | ノミネート | |
全米脚本家組合賞 | 脚本賞 | アンドリュー・ニコル | ノミネート | [27] |
ヤングアーティスト賞 | ファミリー長編映画賞 – ドラマ | ノミネート | [28] |
備考
当初は脚本を書いたアンドリュー・ニコルが監督する予定であった。しかし、1200万ドルという巨額のギャラのジム・キャリーが主演することになったため、当時まだ『ガタカ』1作しか監督経験がなかったニコルは外され、ピーター・ウィアーが監督として雇われた。
プロットは1959年のフィリップ・K・ディックの小説『時は乱れて』(Time Out of Joint)からいくつもアイデアを拝借しているという。またこの作品から、精神医学では、非公式であるが、トゥルーマン・ショー妄想という概念が生まれた。
2022年5月にフランスで開催された第75回カンヌ国際映画祭では劇中でトゥルーマンが世界(撮影スタジオ)の端にある階段を上っていく象徴的な場面が同映画祭のポスターとして採用された[29]。
日本での地上波放送について
当初は2003年3月8日にフジテレビ系列の『ゴールデンシアター』で地上波初放送となるはずだった。ところが、放送数日前にドキュメンタリー番組に急遽差し替えとなり、以後も放送されることはなかった。通常、映画番組で急遽放送を休止した場合は、後日振り替え放送を行うのが一般的であるが、本作はそれすらなかった。
その後、フジテレビは放映権を手放したのか、地上波初放送が実現したのは3年後の2006年8月10日、テレビ東京の『午後のロードショー』でのことだった[30]。
参考文献
- ^ “The Truman Show (1998)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年8月11日閲覧。
- ^ 2003年3月8日にフジテレビ『ゴールデンシアター』で放送される予定だったがお蔵入りとなり(後述)テレビ東京が初回放送となった。
- ^ “The Truman Show | Rotten Tomatoes” (英語). www.rottentomatoes.com. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “The Truman Show Reviews” (英語). www.metacritic.com. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “The Truman Show movie review & film summary (1998) | Roger Ebert” (英語). www.rogerebert.com. 2025年5月27日閲覧。
- ^ “'Truman Show' Was Definitely the One to Watch” (英語). Los Angeles Times (1998年12月27日). 2025年5月26日閲覧。
- ^ “Dotdash Meredith - America's Largest Digital & Print Publisher” (英語). www.dotdashmeredith.com. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “Review: The Truman Show”. preview.reelviews.net. 2025年5月27日閲覧。
- ^ Rosenbaum, Jonathan. “The Audience is Us” (英語). Chicago Reader 2025年5月27日閲覧。
- ^ “Current Movie Reviews, Independent Movies - Film Threat”. www.filmthreat.com. 2025年5月27日閲覧。
- ^ “The 71st Academy Awards | 1999” (英語). www.oscars.org (2016年11月18日). 2025年5月26日閲覧。
- ^ “Awards” (英語). Bafta. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “404: Not found | British Society of Cinematographers”. bscine.com. 2025年5月26日閲覧。
- ^ Administrator. “Chicago Film Critics Awards - 1998-2007” (英語). www.chicagofilmcritics.org. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “1999, 5th Annual Awards” (英語). Chlotrudis Society for Independent Film (2025年3月18日). 2025年5月26日閲覧。
- ^ “1st CDGA (1999) – Costume Designers Guild, I.A.T.S.E. Local 892” (英語). 2025年5月26日閲覧。
- ^ “1998” (英語). www.dga.org (0001年1月1日). 2025年5月26日閲覧。
- ^ “Empire Awards”. www.empireonline.co.uk. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “The Truman Show” (英語). Golden Globes. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “1999 Hugo Awards” (英語). The Hugo Award (2007年7月26日). 2025年5月26日閲覧。
- ^ www.adam-makes-websites.com, Adam Jones-. “Awards for 1998 - LAFCA”. www.lafca.net. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “3rd Annual Film Awards (1998) – Online Film & Television Association” (英語). 2025年5月26日閲覧。
- ^ “1998 Awards (2nd Annual)” (英語). Online Film Critics Society (2012年1月3日). 2025年5月26日閲覧。
- ^ carlos, keith. “INTERNATIONAL PRESS ACADEMY: SATELLITE™ Awards”. www.pressacademy.com. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “Past Saturn Awards”. www.saturnawards.org. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “Winners” (英語). SEFCA. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “Previous Nominees & Winners - page 2”. awards.wga.org. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “20th Annual Awards”. www.youngartistawards.org. 2025年5月26日閲覧。
- ^ “The Official Poster of the 75th Festival de Cannes”. Festival de Cannes (2022年4月19日). 2023年7月18日閲覧。
- ^ 音源はフジテレビ制作版を使用。
関連項目
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