吸虫とは? わかりやすく解説

きゅう‐ちゅう〔キフ‐〕【吸虫】

読み方:きゅうちゅう

吸虫綱属す扁形(へんけい)動物総称。ふつう体の前端口の周囲腹部吸盤をもち、肛門(こうもん)はない。カエル鳥・獣寄生する多くの種が含まれ肝蛭(かんてつ)・肝吸虫肺吸虫日本住血吸虫などがある。かつて二つの口をもつとして二口虫ジストマよばれた


吸虫

同義/類義語:吸虫綱
英訳・(英)同義/類義語:Trematoda, Fluke (Schistosoma haematobium)

寄生性のへん形動物総称サナダムシ肝ジストマなど。
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吸虫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/06 03:48 UTC 版)

吸虫綱 Trematoda
ミズウオの腸に寄生していた巨大な Botulus microporus
分類
: 動物界 Animalia
: 扁形動物門 Platyhelminthes
: 吸虫綱 Trematoda
学名
Trematoda Rudolphi, 1808
和名
吸虫綱
英名
fluke
亜綱

吸虫(きゅうちゅう、: fluke、学名:Trematoda)は、扁形動物吸虫綱に属する動物の総称で、寄生虫の1種。ジストマ二口虫とも言われる。この名は口吸盤と腹吸盤の両方とも口だと思って、di (2) stoma(口)と呼んだことに起因するが、英語の「Distoma」というのは肝蛭類に限る。

寄生動物で、魚類から陸上脊椎動物まで、多くの動物を最終宿主とするものが知られている。人間を宿主とするものには、肺吸虫(ウェステルマン肺吸虫)や肝吸虫、腸管吸虫、横川吸虫日本住血吸虫などがある。これらの吸虫が人体におよぼす病害については肺吸虫症肝吸虫#肝吸虫症などを参照されたい。また、中間宿主であるサワガニモクズガニなどの項も参照のこと。

分類

楯吸虫亜綱(単生吸虫亜綱)

楯吸虫亜綱 Aspidogastrea は、主として魚類の体表面に外部寄生する。

二生亜綱(二生吸虫亜綱)

二生亜綱 Digenea は、脊椎動物の内部寄生虫で、一つ以上の中間宿主を持ち、何段階かの変態を経る。その順番は

卵 → ミラシジウムスポロシストレジアセルカリアメタセルカリア → 成虫

となっている。一部を欠くものもある。幼生が単為発生的に増殖するものも多い。

形態形質に基づく分類体系の例としては以下のようなものがあるが、これは生物の系統を反映していない。

分子系統解析に基づく体系(Olson et al., 2003)では、大部分を斜睾吸虫目 Plagiorchiidaにまとめ、日本住血吸虫ロイコクロリディウムなど一部をDiplostomidaとしている。レベルの分類はおおまかには以前の通りである。[1]

代表的な種

参考文献

  1. ^ Olson P. D., Cribb T. H., Tkach V. V., Bray R. A. & Littlewood D. T. J. (2003). "Phylogeny and classification of the Digenea (Platyhelminthes: Trematoda)". International Journal for Parasitology 33(7): 733–755. doi:10.1016/S0020-7519(03)00049-3

吸虫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 15:21 UTC 版)

両生類の減少」の記事における「吸虫」の解説

扁形動物寄生性吸虫(ジストマ)が、いくつかの地域での両生類の異常発育生息数減少関係しているという考慮すべき証拠がある。Ribeiroia 属であるこれらの吸虫は、3種宿主をもつ複雑な生活環有する最初宿主水生巻貝多数の種を含む。吸虫は幼生期初期水生オタマジャクシ移動し、そこではメタケルカリア幼生手足発生する際に包嚢包まれる包嚢包まれた生活段階は、変態後の過剰肢や欠損肢を含む発育異常を引き起こす。これらの奇形によりカエルが吸虫の最終宿主である水鳥捕食される確率が高まる。

※この「吸虫」の解説は、「両生類の減少」の解説の一部です。
「吸虫」を含む「両生類の減少」の記事については、「両生類の減少」の概要を参照ください。


吸虫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 02:31 UTC 版)

スポロシスト」の記事における「吸虫」の解説

吸虫の二生類では、一次中間宿主である巻貝ミラシジウム幼生進入すると、これが進入部位近辺繊毛衣を脱ぎ捨て、さらに変態発育して嚢状体となる。これがスポロシスト幼生である。この嚢状態は消化管排泄系、分泌腺欠き栄養摂取体表からの吸収によるが、ミラシジウムから引き継いだ体壁の胚細胞発達しており、これが無性的発生によってレジア幼生、あるいは母体同様のスポロシスト、つまり娘スポロシスト発育して脱出してくる。 娘スポロシスト胚細胞レジアや娘スポロシストではなくセルカリア幼生発育し、これが母体スポロシストを、さらには中間宿主巻貝からも脱出して水中泳ぎだす。

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