ディディモゾーン科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 18:49 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動| ディディモゾーン科 | ||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 分類 | ||||||||||||||||||
 
     
  | 
   ||||||||||||||||||
| 学名 | ||||||||||||||||||
| Didymozoidae Monticelli, 1888  | 
   ||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||
| didymozoid | 
ディディモゾーン科は魚類に寄生する吸虫の科。英語における総称からディディモゾイドと呼ばれることが多い。
形態
球状あるいはひも状の虫。子宮内に淡黄色の虫卵が充満しており、虫体は黄色に見える。
生態
宿主はカツオ、マダイ、トビウオ、マグロなど、様々な魚類である。生活史はほとんど明らかになっておらず、軟体動物、甲殻類、魚類などの中間宿主を経ていると想定されている[1]。個々の種は、強い宿主特異性、部位特異性を示す[2]。
人間との関わり
食用魚類に寄生していることも多く、消費者から異物の苦情としてあげられることが多い[1]。
ヒトに寄生することはなく食べても無害であるが、消化されなかった虫卵が糞便検査で「不明虫卵」として報告されることがある[2]。
分類
6亜科に数十属が知られている。日本で水産業上重要な魚種から報告されたものを挙げる[3]:
- Didymozoon
 - マグロ属、ブリの鰓
 - Didymocylindrus
 - マグロ属の鰓
 - Didymocystis
 - マグロ属、ブリの鰓、口腔、胃
 - Labatozoum
 - マグロ属の鰓
 - Platocystis
 - マグロ属の体表
 - Gonapodasmius
 - マダイの筋肉[4]、トビウオの筋肉[2]
 - Koellikeria
 - マグロ属、ブリの口腔、食道、腸、肛門、鰓
 - Coeliotrema
 - マグロ属の腸間膜
 - Metanematobothrium
 - マグロ属の鰓、消化管、筋肉
 
参考文献
- ^ a b 武部ら「クロマグロ幼魚に寄生していた吸虫ディディモゾイド科Didymocystis wedliの奄美大島海域における消長および伝搬性」『日本水産学会誌』第79巻第2号、2013年、 214-218頁、 doi:10.2331/suisan.79.214。
 - ^ a b c 亀谷俊也「いわゆるトビウオに由来する不明虫卵の母虫について」『寄生虫学雑誌』第20巻第3号、1971年、 170-176頁。
 - ^ 江草・中島「文献集蠕虫編-養殖対象魚類に寄生する日本産蠕虫類-」『魚病研究』第4巻第2号、1970年、 147-171頁、 doi:10.3147/jsfp.4.147。
 - ^ 中島ら「マダイの筋肉内に虫竈をつくる吸虫Gonapodasmius okushimai ISHII,1935」『魚病研究』第8巻第2号、1974年、 175-176頁、 doi:10.3147/jsfp.8.175。
 
 
- ディディモゾーン科のページへのリンク