TACK群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 07:57 UTC 版)
名称はタウム古細菌、アイグ古細菌、クレン古細菌、コル古細菌の頭文字を並べたもの。フィル古細菌 (Filarchaeota)とも呼ばれる。 クレン古細菌門 詳細は「クレン古細菌」を参照 2018年現在64種が記載。温泉などにいる好熱好酸菌、80℃以上の高温を好み海底熱水噴出孔などにいる超好熱菌などを含む。ESCRT複合体で分裂する。古細菌固有のDNA複製酵素であるDファミリーDNAポリメラーゼを欠く。テルモプロテウス目以外はヒストンを持たないことが多い。 タウム古細菌門 詳細は「タウム古細菌」を参照 2021年現在6種が記載。2008年にクレン古細菌から分けられた系統。中温性の亜硝酸古細菌などを含む。クレン古細菌同様にESCRT複合体で分裂する。クレン古細菌より低温に適応している。 アイグ古細菌門 地下320mの金鉱より発見された"Ca. Caldiarchaeum subterraneum’"。ゲノム情報からは、好気または硝酸呼吸により、水素や一酸化炭素を酸化していると予想されている。ユビキチン-プロテアソームシステムに必要な遺伝子を持つ。タウム古細菌に近縁で、タウム古細菌に含めることもある。 コル古細菌門 環境DNAサンプルと集積培養系のみ。環境中での存在量・分布は小さいと考えられる。嫌気従属栄養性の超好熱菌。ユーリ古細菌とクレン古細菌の2大系統以外では最も最初に発見され、当初は古細菌の中で原始的な系統に属すと考えられたが、現在ではクレン古細菌に近い系統と考えられている。集積培養が得られている"Ca. Korarchaeum cryptofilum"は、嫌気性・超好熱性の従属栄養生物である。 バテュ古細菌門 海底堆積物などで豊富に見つかる系統。未培養だがメタン生成経路やバクテリオクロロフィルa合成酵素の検出例がある特異な系統。
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