《東風》の正しい読み方
「東風」の正しい読み方
「東風」の読み方は種類が非常に多く、代表的なものは「こち」「あゆ」「はるかぜ」である。「こち」「あゆ」に関しては、漢字そのものの読みは使用しない、熟字訓となっている。そして、「こちかぜ」や「あゆのかぜ」と読むことも可能。また、「はるかぜ」も、「東」という漢字にはない読み「はる」を使用する形である。このように、「東風」には、特殊な読み方が多い。ただ、漢字そのものの読みを使用した「とうふう」や「ひがしかぜ」といった読み方も可能である。「東風」の意味解説
「東風」とは、文字通り東から吹く風のことである。中でも、春の季節に東から吹く、心地よい風を指す。また、春の訪れを告げる風という意味合いもある。「東風」の読み方は数多くあるが、いずれも春に東から吹く風を指す点は共通だ。そして、東から吹く風を由来とした、「東風(こち)」という名字もある。なぜ「こち」「あゆ」「はるかぜ」などと読むのか・理由
「東風」の代表的な読みである「こち」は、「東」の古い読みの「ひむかち」が元になっている。「ひむかち」の「かち」の部分が訛り、「こち」となった形だ。厳密には「東」のみを「こち」と読むべきであるため、「東風」は「こちかぜ」と読むことができる。ただ、「東」に「風」を足した「東風」で、「こち」と読む場合が多い。「あゆ」という読み方に関しては、平安時代の歌人であった大伴家持が、和歌の中で「東風」を「あいの風」と表現していることが由来である。「あい」が変化し、「あゆ」という読みになった。そのため、「東風」は、元となった「あいのかぜ」と読むことも可能だ。「はるかぜ」という読みは、「東風」が春に吹くため、「春」の読みが「東」に当てられた形である。
「東風」の類語・用例・例文
「東風」という言葉は基本的に、春に東から吹く風を表すために使用する。例文にすると、「心地よい東風を全身に受け、春が来たことを実感する」といった形だ。そして、「彼女の名字である東風は、読めない人が多い」という風に、人の名字としても使用できる。また、「馬耳東風(ばじとうふう)」という四字熟語としても使用される。人にとっては心地良い東風であっても、馬は何も感じないということから、人の話を受け入れずに聞き流す様子を表す熟語である。「意を決して彼に助言をしてみたが、馬耳東風であった」という風に使用する。「東風」の類語としては、「春一番」が挙げられる。春先になると、日本の本州で吹き始める風のことである。東風とは違い、南の方角から吹く風であるが、春に吹くという点は東風と共通している。また、「春風(はるかぜ、しゅんぷう)」という類語もある。文字通り春に吹く風という意味の言葉であり、東風とほぼ同義である。
「東風」の英語用例・例文
「東風」を英語で表現する場合、「east wind」となる。「東」と「風」をそれぞれ直訳した形だ。例文にすると、「The season when the wind blows is coming soon.(もうじき東風が吹く季節がやって来る)」「I saw the news that a strong east wind blew.(強い東風が吹いたというニュースを見た)」といった形になる。名字として「東風(こち)」を使用する場合、ローマ字表記の「Kochi」となり、「Mr. Kochi is my boss.(東風さんは私の上司だ)」というように使用する。《東風》の正しい読み方
「東風」の正しい読み方
「東風」の読み方は、主に「こち」、あるいは「こちかぜ」「とうふう」「ひがしかぜ」「あゆ」果ては「とんぷう(トンプー)」と読む場合もある。「東風」の意味解説
「東風」とは東から吹く風のことである。特に春から夏にかけて吹く東寄りの風を「東風」と呼ぶ場合が多い。春の訪れの象徴であるため、春の季語となっている。「東風」を「とうふう」や「ひがしかぜ」「こちかぜ」「あゆ」と読む場合も、意味は「こち」と読む場合とほとんど同じといえる。
中国語においては、「東風」は、三国志や毛沢東の発言に由来する固有名詞として用いられることがある。
なぜ「こち」と読むのか・理由
「東風」の「東」という漢字の読み方は、語源である「ひむかち」が省略され「かち」となり、それが「こち」に変化したという説がある。そこから「東風」の読みは「こちかぜ」となり、これがさらに省略され最終的に「こち」へと変化したと言われている。古語では「風」を指して「ち」と呼ぶことがある。「東風(こち)」の他にも、たとえば「疾風(はやち)」や「小風(こち)」などに例が見出だせる。
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