《松阪牛》の正しい読み方
「松阪牛」の正しい読み方
和牛の有名ブランド「松阪牛」の正しい読み方は「まつさかうし」「まつさかぎゅう」である。「松阪」は三重県の地名であり、平成17年1月1日に嬉野町・三雲町・飯南町・飯高町が合併し新しく「松阪市」となった際「『松阪市』は濁らせず読む」とされ、正式には「まつさか」と読む。そのため「まつざかうし」や「まつざかぎゅう」という読み方や表記は誤りだ。なお「松阪」は、三重の方言で「まっつぁか」と発音されることもある。「松阪牛」の意味解説
「松阪牛」とは「黒毛和種の未経産の雌牛」であり、「生後12ヶ月齢までに松阪牛生産区域に導入され、導入後は生産区域内の移動のみであること」、また「松阪牛生産区域での肥育期間が最長かつ最終であること」、さらに「松阪牛個体識別管理システムに登録されていること」という条件をすべて満たして出荷された牛を指す。松阪牛生産区域とは、2004年11月1日現在の旧22市町村に、旧松阪肉牛生産者の会会員の農家を含んだ地域で、現在の市町村では「松阪市・明和町・多気町・玉城町・度会町・大台町の全域及び津市・伊勢市・大紀町の一部」に相当する地域である。松阪牛は一頭一頭時間をかけて大事に育てられ、「甘くコクがあり上品な和牛香がある」「ヘルシーで良質な不飽和脂肪酸を多く含む」「脂肪の溶ける温度が低く口の中でまろやかにとろける」といった特徴がその美味しさを引き立てている。
なぜ「松阪牛」と読むのか・理由
「松阪牛」は、生産地域では元々「まつさかうし」という読み方をしていたが、明治時代以降全国的には「まつざかぎゅう」や「まつざかうし」などさまざまな読まれ方をし、特に統一はされていなかった。では現在のように正式な読み方が「まつさかうし」「まつさかぎゅう」となった理由は何か?それは、2001年に「松阪牛」が三重ブランドに認定された際、三重県が「ブランドとしての松阪牛」のメインの読み方を「まつさかうし」と決めたこと、さらに2007年「松阪牛」が地域団体商標に登録されたのち、松阪市や松阪牛協議会が「『松阪牛』の正式な読み方は『まつさかうし』及び『まつさかぎゅう』である」と公表していることに起因する。「松阪牛」の類語・用例・例文
「松阪牛」の類語は「肉の芸術品」「日本三大和牛」「最高級黒毛和牛」「但馬牛を素牛とし松阪地方で肥育した牛」などが挙げられる。これらは松阪牛を形容する際や松阪牛を言い換える際に使用される。「松阪牛」は牛や肉そのものとして使用されることがほとんどであり、用例・例文は次のとおり。以下〈〉内は出典を表す。・滋養豊かな清流と温暖な気候が品質の良い松阪牛を育むのだ。
・松阪牛は肥育農家の愛情をたっぷり注がれて成長する。
・兵庫県産の選び抜いた子牛を導入し、松阪牛生産区域で900日以上肥育した牛を特選松阪牛と呼ぶ。
・松阪牛の不飽和脂肪酸は、他の和牛より比率が高いという研究結果がある。
・わたしは、世界のブランド「松阪牛」のとろけるような食感と脂の甘みを味わうためにやって来た。
・当店では、肥育農家から直接仕入れる高品質の松阪牛や特産松阪牛を提供しています。
・ここの松阪牛については辰野隆氏が何かに書いていたと思う〈吉川英治「随筆新平家」〉
「松阪牛」の英語用例・例文
「松阪牛」の英語は、「Matsusaka beef」と表記する。用例・例文は次のとおり。以下()内は日本語の直訳を表す。・Matsusaka beef ranks as one of Japan's top three luxury beefs.(松阪牛は、日本のトップ3の高級肉牛のうちの1つとして位置付けられる。)
・Matsusaka beef is praised from the world as the "Art of meat".(松阪牛は「肉の芸術品」として世界から称賛される。)
・Matsusaka beef is noted for sweet flavor and rich aroma of marbled meat. (松阪牛は、霜降肉の甘い味と豊かな香りで有名だ。)
・I introduce selected shops from Matsusaka beef handling shops within Tokyo.(東京中の松阪牛取扱店から選りすぐりのお店を紹介します。)
・Do you know the famous brand such as Matsusaka beef?(あなたは、松阪牛のような有名なブランドを知っていますか?)
・Please tell me the points of the deliciousness of Matsusaka beef.(私に松阪牛の美味しさのポイントを教えてください。)
《松阪牛》の正しい読み方
「松阪牛」の正しい読み方
「松阪牛」は固有名詞で「まつさかうし」もしくは「まつさかぎゅう」と読む。「まつざかうし」「まつざかぎゅう」などは誤った読み方である。「松阪牛」の意味解説
「松阪牛」は各地から買い入れた黒毛和種の子牛を三重県松阪市や近隣地域で肥育した牛であり、松阪牛という品種は存在しない。赤身である筋肉の間に脂肪が細かく入っている霜降り肉であり、柔らかくも歯応えのある食感と濃厚な風味から肉の芸術品の異名がある。日本三大和牛のひとつとされ、高級牛肉の代名詞にもなっているが、松阪牛として扱うには畜産業界が独自に定めた定義をすべて満たす必要がある。松阪牛の定義が決められた当初は審査が非常に厳しく、定義をすべて満たしたとしても肉の品質にわずかでも問題があれば松阪牛と名乗ることはできなかった。しかし、2002年の規約改定によって枝肉の格付けが削除されてからは審査基準が緩和され、従来の基準では通らなかった肉も松阪牛の名称が使われている。松阪牛は肉の品質を保つため、飼育環境が厳しく管理されている。各地から買い入れた子牛を肥育農家で3年ほど育てるが、牛舎内での飼育であり放牧は行わない。これは過度の運動によって肉の霜降りの状態に偏りが生じるのを防ぐためである。穀物を中心としたエサを与えるのも肉の霜降りを促進させるのが目的であり、牛の発育の程度によってはビールを飲ませることもある。
なぜ「松阪牛」と読むのか・理由
「松阪牛」を「まつさかうし」、あるいは「まつさかぎゅう」と読むのは産地である三重県松阪市(まつさかし)の読み方に準じているのが理由だ。松阪牛は品種名ではないため、畜産業界による定義を満たせばどの牛でも松阪牛として扱うことは可能だ。しかし、松阪牛の名称が使用できる条件として黒毛和種に該当する品種とされていることから、必然的に対象の品種は限定される。「松阪牛」の類語・用例・例文
「松阪牛」の類語として「黒毛和牛」「但馬牛」「霜降り牛」などがある。それぞれ「くろげわぎゅう」「たじまうし」「しもふりぎゅう」と読み、いずれも松阪牛と関わりのある言葉である。「黒毛和牛」は和牛の一種である黒毛和種と同じ意味だが、和牛の総称として使われる事例も少なくない。「但馬牛」は黒毛和種の一種で、松阪牛として育てられる品種でもある。「霜降り牛」は肉が霜降りになっている牛肉で、一部の地域では松阪牛を霜降り牛と読んでいる。それぞれの例文には「松阪牛を一度は食べてみたい」「私の牧場では黒毛和牛を育てている」「但馬牛は体が大きい」「霜降り肉の柔らかい食感が忘れられない」などがある。「松阪牛」の英語用例・例文
「松阪牛」の英語表記は「matsusaka beef」である。松阪牛は高級牛肉として海外でも知名度が高く、上品な風味が好まれている。「松阪牛のステーキ」なら「matsusaka beef steak」となる。「松阪牛のステーキは、霜降りが絶妙で味わい深い」を英文にすると「Matsusaka beef steak is so perfectly marbled and and flavorful.」である。
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