かく‐づけ【格付(け)】
格付け(かくづけ)
企業が発行する社債やCP、国が発行する国債など、債券の安全性をランクで表すことである。格付けはAaなどの記号で表し、これがA、B、C、と下がるにつれて債券の信用性が低くなる。ムーディーズ社、スタンダード・アンド・プア-ズ社(S&P)が代表的な格付け機関である。日本では日本投資格付情報センター(R&I)が有名である。
格付けは、米国を中心に、投資家向け判断材料として普及した。債務不履行可能性を分りやすく表すことが目的である。企業の経営状況を表す指標としても利用される。ムーディーズ社は「Aaa」、S&Pは「AAA」が最高ランクである。
ムーディズでは、2000年9月、日本政府発行の円建て債券の格付けを「Aa1」から「Aa2」に引き下げている。またS&Pは、2001年2月22日、日本国債の長期格付を、最上級のトリプルAからダブルAプラスに引き下げた。
過去、格付けでは、山一證券がムーディーズ社から「投機的」と判断され、それが1997年11月の山一證券自主廃業につながった例がある。格付けが強い影響力を及ぼした例といえる。
(2000.02.18更新)
格付け(かくづけ)(rating)
国や企業などが発行する債券について、元利支払いの確実性に序列をつけること。格付け機関が発表し、これから債券の購入を考えている投資家向けの情報となる。
債券とは、国や企業などが発行する借用証書のようなもので、債券の購入者から受け取った資金は、一定の期間が過ぎたときに、利息をつけて返さなければならない。ところが、最近ではアルゼンチンの例にもあるように、国が経済的な危機に陥ると、元本さえ戻ってこないということだってあり得る。
そこで、格付け機関は債券の信用度について調査を行い、投資家向けに債券のリスクに関する情報を提供している。
主な格付け機関には、米国のムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、日本の格付投資情報センター(R&I)がある。これらの格付け機関は、各国政府が発行する国債の格付けに大きな影響力をもっている。
ムーディーズ社は先月31日、日本政府が発行する円建て国債の格付けを一度に2段階も引き下げると発表した。家計の貯蓄や海外投資などから政府の資金調達が危機的状況に直面する可能性は少ないとしながらも、安易な国債の発行によって一般政府債務がこれまでに例を見ないほど膨張したことが大きな判断基準となったようだ。
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(2002.06.07更新)
格付け
債券は、それを発行して資金を調達する企業が、元利金の支払いを保証していますが、発行企業自体が倒産すれば、元利金の支払いが滞ってしまいます。このような状況に陥ることを「債務不履行(デフォルト)」と言いますが、債券格付け機関は、債券が償還を迎えるまでに債務不履行に陥るリスクがどの程度あるのかを特定の記号で表示し、債券投資を行う投資家の投資判断に寄与することを目的に活動しています。この債券格付けを表す格付け記号は、格付け会社によってやや表記の仕方が異なりますが、基本的にはトリプルA(ムーディーズの表記はAaa)を最上級格付けとして、ダブルA(Aa)、シングルA(A)、トリプルB(Baa)、ダブルB(Ba)……と格付けが下がっていき、それに伴って債務不履行に陥るリスクも高まってきます。
格付け(かくづけ)
商品取引所で、ある銘柄のものを標準品とし、受渡しに際してその代用に供し得るものを定めますが、この代用に供し得る品を標準品と比べて等級を付け、標準品との価格差(格差)を決めることをいいます。格付け (倒産リスクの)
格付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 13:44 UTC 版)
格付け(かくづけ、英: rating レイティング)とは、品質・価値・能力・過去の実績・可能性などによって物や人物を分類し、段階をつけた分類(クラス分け、グループ分け)を伴った位置づけを行うこと。
たとえば債権の質、企業(の信用度)、レストランの質(料理の美味しさやサービスの質)、肉の質など、さまざまなものに関して格付けが行われている。類義語としてはクラスやランキングがあるが、ランキングのほうはクラス分けをせずただ順位をもとに1位から下位までだらだらと並べてゆくことも多い、という違いがある。
金融・実務
- 信用格付け
- 債券の格付け - 債権の質(債権の信用度の相対的な高さ債権回収できる可能性の相対的な高さや、利回りの妥当性など)に関して格付け機関が格付けを行っている。格付け機関により「AAA, AA, A, BBB, BB, B, CCC, CC, C, D」と分類する機関や「Aaa, Aa, A, Baa, Ba, B, Caa, Ca, C」と分類する機関があり、表記法やそれぞれの位置づけが若干異なっている。投資という観点からは、格付投資情報センター(R&I)の格付け例では、BBB以上であれば「投資適格債」と位置づけられ、BB以下であれば投資不適格債(ジャンク債)と位置づけられる。企業が発行している債券であれば発行元の企業の信用度(経営状況)が影響し、国や自治体が発行する債券(国債や地方債)ではそれらの「発行体」の財政状況が影響する。
- 企業の信用度の格付け - 企業信用調査会社が行う(日本では帝国データバンクがシェア60%) 。
- 公共工事の競争入札における、入札する側の業者の施工能力の格付け - 各発注機関が経営事項審査などの資料に基づき、A - Eなどに判定する。不良不適格業者(ペーパーカンパニーや暴力団関連会社)が受注することや品質低下を防ぐ。
飲食店・ホテル・食品
- 飲食店などの格付け - ミシュランガイドによるものが突出して世界的に有名で、同ガイドでは"星"の数で格付けしており星が多いほど格が高く、高いほうからいうと「ミシュランガイド 3つ星レストラン」「- 2つ星レストラン」「- 1つ星レストラン」と呼ばれる。覆面調査員が調べて格付けを行い品質の高いレストランにだけ星が与えられ、1つ星に到達していないと判断されたレストランはそもそも星をひとつも与えられない。
- ホテルの格付け(Hotel ratings) - ヨーロッパのホテルで行われてきた歴史があり、制度化されており公的にも使用され、星の数(1 - 5)で格付けしており、星が多いほど格が高い。「5つ星ホテル」は最高級ホテル、「4つ星ホテル」は高級ホテルという意味になり、逆に「1つ星ホテル」はいわゆるエコノミーホテル(安宿、やすやど)であり簡素なベッド簡素なつくりで宿泊料が安い(そして水回りやエアコンなどが故障しているなどトラブルをかかえている部屋も相当にある)ということになる。
- 枝肉格付 - 牛肉、豚肉などの格付け。
スポーツ
映画・コンピューターゲーム
- 映画作品の格付け - 映画作品に関して、大手映画制作会社が巨額の費用をかけて撮影して広告宣伝を行うものはブロックバスターと格付けされる。
- コンピュータゲームのタイトル(作品)の格付け - AAAは、ゲームタイトルに関して、大手(や中堅)のゲーム製作会社やパブリッシャーが他のタイトルと比べて特に多額の開発費や広告宣伝費をかけるものを指す非公式の格付け。反対に、制作費がかなり低額で評価が悪かったゲームは「バーゲンビン」と呼ばれることがある。
他
関連項目
「格付け」の例文・使い方・用例・文例
- タイムズ誌はイギリスでは高級紙と格付けされている
- 高い信用格付けを有する企業のみがコマーシャルペーパーを発行できると言える。
- 多くのユーロ圏周縁国の国債は現在ジャンクボンドとして格付けされている。
- 私は、株価格付け情報を参考に投資判断をします。
- その格付け機関は今日格付表に細かな変更を加えた。
- この会社に対する格付けは勝手格付けによるものである。
- この格付けシステムでは5つ星が最高評価となります。
- 【経済】 高い[低い]信用格付け.
- 品物の格付けをする
- 公文書用の公式格付け
- そのレストランは、食事ガイドで高く格付けされた
- 許容できる信用格付けを持っている
- 格付けされる、比較される
- ある特定の社債が不履行になる可能性についての、格付け機関による評価
- 銀行が短期貸付について高い信用格付けの法人顧客向けに適用する金利
- 格付けが最上位でないこと
- 絵画を品評し,格付けすること
- 技能程度を格付けするための検査
- 汲み茶という,江戸新吉原の遊女格付け
- 真打ちより前に出演する演芸人の格付け
品詞の分類
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