危機的状況とは? わかりやすく解説

危機的状況

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 09:56 UTC 版)

ロッキード L-1011 トライスター」の記事における「危機的状況」の解説

開発はRB211型エンジン再設計などの影響もありやや遅れたロールアウト1970年9月15日初飛行同年11月16日DC-10より2か月半ほど遅れたものの、その後飛行テスト順調に推移した。 ところが、1971年2月になり、RB211型エンジン再設計などで負債増加したロールス・ロイス破産する事態になったロールス・ロイスイギリス軍需産業一翼担っていたこともあり、イギリス政府支援乗り出すことになった赤字元凶であるRB211型の生産継続するかは、すぐに決められるような状況ではなかった。 トライスターはRB211型を使用することを前提にして設計した旅客機であり、他メーカーエンジンへの交換考慮されていなかった。ゼネラル・エレクトリックCF6エンジンプラット・アンド・ホイットニーJT9Dエンジン換装することも検討されたが、第2エンジンダクトはRB211型搭載前提としており、他のエンジン使用可能とするには完全な再設計行なうしかなかった。 また、ロッキードとしても、既に多額開発費投入しているトライスター諦めることはできなかった。当時ロッキードギャラクシー開発費の増大により、1971年には赤字1億8,780ドル達していた。これはギャラクシートライスター順調な納入によって、初め回収が可能となる金額であった。つまり、ロッキードにはトライスター開発中止するという選択許されていなかったのであるこのためロッキード社長自らがイギリス政府交渉行い、RB211型の生産続行されることが決定したまた、最終的にアメリカ政府トライスター製造保証する条件で、イギリス政府からRB211型の生産休止対す補償受けられることにもなり、ロッキード経営危機回避されることとなった1972年4月15日にはFAA型式証明取得同月中にはDC-10より9か月遅れてイースタン航空での運航開始された。

※この「危機的状況」の解説は、「ロッキード L-1011 トライスター」の解説の一部です。
「危機的状況」を含む「ロッキード L-1011 トライスター」の記事については、「ロッキード L-1011 トライスター」の概要を参照ください。

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