《某》の正しい読み方
「某」の正しい読み方
漢字の「某」の正しい読み方は、音読みが「ボウ」、訓読みが「それがし」および「なにがし」である。古くは「くれ」「くれがし」と読む例もあった。「都内某所」「某月某日」のように名詞を修飾する語として用いられる場合は、もっぱら「ぼう」と読まれる。ただし「長谷川某」のように人名を代替する場合は「なにがし」と読まれる。
「某」単体でも「なにがし」と読むが、「なにがし」と読む場合の字は「何某」と表記される場合が多い。
この他に「誰某(だれそれ)」や「某某(なにがしそれがし)」のような特殊な読み方をする例がいくつかある。
「某」の意味解説
「某」は、いわゆる不定称の指示代名詞である。具体的な情報が分からない場合や、あえてボカシて述べる場合に、なかば便宜的に「某」と表現する。数量や程度について述べる場合、「具体的な量は不明だがあまり多くはない」というニュアンスで「なにがしかの~」という表現が用いられる。意味用法ともに「いくらか」に近い。
中世武家社会では「某(それがし)」が自らを指す語(一人称代名詞)として用いられた。「拙者(せっしゃ)」と同様、へりくだる意味合いを含んでいた。現代で「それがし」を一人称として用いる者はまずいない。
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