《東雲》の正しい読み方
「東雲」の正しい読み方
「東雲」の一般的な読み方は、「しののめ」である。熟字訓であり、漢字の「東」と「雲」にそれぞれ「しの」「のめ」という読みはない。「東雲」という熟語のみ、「しののめ」と読むことができる。また、それぞれの漢字を音読みして、「とううん」とすることも可能だ。さらに、特殊な例として、「あずも」という読み方もある。「東雲」の意味解説
「東雲」とは、空が明るくなりそうな、夜明けごろの時間帯を指す言葉である。また、その時間帯に、日光によって染まった空や雲を指す言葉としても使用される。空や雲を指す場合は、「しののめ」「とううん」のどちらの読みを使用しても問題ない。ただ、時間帯を表す場合の読みは「しののめ」のみである。そして、「しののめ」「あずも」という読みは、人の名字あるいは地名として使用される読み方だ。なぜ「東雲」と読むのか・理由
「東雲」の「しののめ」という読みは、「篠の目」が元になっている。日本の古い住宅では、採光のために窓を設け、そこに細長い篠竹を並べた。そして、夜明けになると、篠竹の隙間である目の部分から、日光が差し込む。そのことから、篠の目から光が入る時間帯や、篠の目から覗ける空である東雲に、「しののめ」の読みが当てられた。「あずも」という読みに関しては、「東雲(あずまぐも)」が略された形である。「東雲」の類語・用例・例文
「東雲」という言葉には、夜明けごろの時間帯と、その時間帯の空または雲、人あるいは地名という、3通りの使い道がある。時間帯を表す場合、「空が白んできた。そろそろ東雲だろうか」というような使い方をする。空を指すのであれば、「目が覚めてしまったため、東雲を眺めることとする」という風に使う。人名や地名を表す場合、「東雲さんは妥協を許さない性格だ」「もう少し行くと、東雲という地域になる」といった形の例文となる。「東雲」の類語としては、「曙(あけぼの)」「暁(あかつき)」「朝ぼらけ」が挙げられる、いずれも夜明けごろに関する言葉である。厳密には、曙は夜が明け始めるころの時間帯、暁は太陽がはっきり顔を出していない薄暗い時間帯を指す。「朝ぼらけ」は、日が昇り、明るくなる時間帯のことである。平安時代の日本では、それらの言葉によって時間帯を表現していた。まず、薄暗い暁から始まり、夜明け前後の東雲、夜が明け始める曙と続き、最後に日が昇った朝ぼらけとなる。
「東雲」の英語用例・例文
「東雲」を英語で表現する場合、「夜明けのころ」という意味であれば「around dawn」を使用する。例文にすると「I went to bed around dawn yesterday(昨日は東雲ごろに就寝した)」のような形だ。「夜明けごろの雲」という意味だと、「dawn sky」となる。例文は「The dawn sky is beautiful today(今日の東雲は美しい)」という風になる。地名や人の名字として使用するのであれば、ローマ字表記で「Shinonome」「Azumo」とする。例文にすると「Mr. Shinonome is always active(東雲さんはいつでも活発である)」「I went to Azumo last week(先週東雲に行ってきた)」などとなる。《東雲》の正しい読み方
「東雲」の正しい読み方
「東雲」の読み方は「しののめ」、もしくは「とううん」である。たいていの場合「しののめ」と読む雅言として用いられる。「東雲」の意味解説
「東雲(しののめ)」は、古語に由来する言葉で、夜明け・明け方・薄明、夜が明けはじめて仄かに明るくなり出す頃を意味する語である。「東雲(とううん)」は「東の空にたなびく雲」を指す語として用いられることがある。
なぜ「東雲」と書いて「しののめ」と読むのか・理由
「東雲(しののめ)」は、いわゆる熟字訓である。つまり、漢字の訓読みと同じ要領で、熟字に対して特殊な読み方が充てられた言葉である。「東雲」という字について。夜が明け始めると、はじめに東の空にたなびく雲が陽光を受けて明るむ。「東雲」という字面はその光景に由来すると推察される。
「しののめ」という読み方は、「篠の目(しののめ)」に由来するとする説が有力である。篠の目とは、篠竹を編んで作った細工物の編み目のこと。その編み目の隙間から射す僅かな光になぞらえて、明け方の薄明かりの頃を「しののめ」と呼ぶようになった、とされる。
「東雲」の類語・用例・例文
東雲の類語としては、「黎明(れいめい)」「薄明(はくめい)」「曙(あけぼの)」「有明(ありあけ)」などが挙げられる。「黎明」は、「夜明け」を意味するが、「新しいことが始まるとき」といったことを表すときにも用いられる。「黎」には「青黒い」という意味があるため、黎明は「青黒い夜から朝にかけて少しずつ明るくなる情景」をたとえている言葉である。- 《東雲》の正しい読み方のページへのリンク