さいぼう‐しゅうき〔サイバウシウキ〕【細胞周期】
細胞周期
細胞周期
英訳・(英)同義/類義語:cell cycle
細胞が分裂後に次の分裂期までにたどるサイクル。分裂期(M期)、G1期、S期、G2期、M期の順にたどり、最終的にはDNAとその他の細胞成分が倍加されて2つの娘細胞に分配される。この一連の過程は、いくつものタンパク質の活性化と不活性化、分解による綿密な制御を受けている(細胞分裂制御機構)。
時系列的現象とそれに関連する事柄: | 発情期 第1減数分裂前期 第2減数分裂中期 細胞周期 細胞周期チェックポイント 細胞周期開始点 終期 |
細胞周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/30 03:58 UTC 版)
細胞周期(さいぼうしゅうき; cell cycle)は、一つの細胞が二つの娘細胞を生み出す過程で起こる一連の事象、およびその周期のことをいう。細胞周期の代表的な事象として、ゲノムDNAの複製と分配、それに引き続く細胞質分裂(dh)がある。
- ^ Smith JA, Martin L (April 1973). “Do cells cycle?”. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 70 (4): 1263–7. PMC 433472. PMID 4515625 .
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- ^ 名称はMitosis(有糸分裂)に由来するが、M期は有糸分裂と続く細胞質分裂を含めた1個の母細胞が2個の娘細胞に分かれる分裂過程全体を示す。
- ^ De Souza CP, Osmani SA (2007). “Mitosis, not just open or closed”. Eukaryotic Cell 6 (9): 1521–7. doi:10.1128/EC.00178-07. PMID 17660363.
- ^ Lilly M, Duronio R (2005). “New insights into cell cycle control from the Drosophila endocycle”. Oncogene 24 (17): 2765–75. doi:10.1038/sj.onc.1208610. PMID 15838513.
- 1 細胞周期とは
- 2 細胞周期の概要
- 3 静止期(G0期)
- 4 参考図書
- 5 外部リンク
細胞周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 17:57 UTC 版)
「サイクリン依存性キナーゼ6」の記事における「細胞周期」の解説
1994年にMatthew MeyersonとEd Harlowは、CDK4ときわめて類似した遺伝子の産物について研究を行った。このPLSTIREと名付けられていた遺伝子から翻訳されるタンパク質は、CDK4と同じくサイクリンD1(英語版)、D2(英語版)、D3(英語版)と相互作用したが、CDK4とは別物であった。その後、このタンパク質はCDK6へと改名された。哺乳類細胞では、CDK6はG1期の初期にサイクリンD1、D2、D3との相互作用を介して細胞周期の進行を活性化する。この酵素によって遺伝子発現には多くの変化が生じる。サイクリンDと複合体を形成した後、CDK6はRbタンパク質をリン酸化する。このリン酸化の後、Rbタンパク質は結合パートナーの転写活性化因子E2F(英語版)を解離し、解離したE2FはDNA複製に関与する遺伝子群を活性化する。CDK6複合体は、分裂促進因子や成長因子といった外部シグナルに依存したG1期の初期から、その後の非依存的な段階への切り替えのポイント(R点(英語版))の保証を行っている。 CDK6はG1期からS期への移行の制御に重要である。しかし近年、全ての細胞種の増殖にCDK6の存在が必要不可欠なわけではないという証拠が得られている。CDK6の役割の重要性は細胞種によって異なる可能性があり、CDK4やCDK2がその役割を補償して機能している可能性がある。
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細胞周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 16:27 UTC 版)
TGF-βはG1期の進行を防ぐことで細胞周期の調節に重要な役割を果たす。TGF-βはp15とp21の合成を引き起こし、Rbタンパク質のリン酸化を担うサイクリン/CDK複合体を遮断することで、細胞周期のG1期の進行を防ぐ。TGF-βは細胞周期のG1期の進行に関与する遺伝子であるc-mycの発現も抑制する。
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細胞周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 02:53 UTC 版)
細胞周期は3つの段階に分かれている。B期は、細胞分裂の完了とDNA複製の開始との間に発生する。C期は、染色体DNAを複製するのにかかる時間を含む。D期は、DNA複製の終了と細胞分裂の終わりの間の段階を指す。より多くの栄養素が利用可能である場合、大腸菌の倍加率はより高くなる。ただし、倍加時間がC期とD期の合計より短くなっても、C期とD期の長さ自体には変化はない。最速の成長率を示す状況下では、複製ラウンドが完了する前に次の複製が開始され、DNAに沿って複数の複製フォークが形成され、細胞周期が重複する。 急速に成長する大腸菌の複製フォークの数は、通常2n(n=1、2、または3)である。これは同期複製と呼ばれ、複製が複製起点から同時に開始された場合にのみ発生する。ただし、培養物内の細胞は、全てが同期的に複製されるわけではない。複数ペアの複製フォークが存在しない細胞においては、複製開始は非同期になる。この非同期は、たとえばDnaA やDnaAイニシエーター関連タンパク質DiaAへの変異によって引き起こされている可能性がある。
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細胞周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 16:34 UTC 版)
「プロテインキナーゼB」の記事における「細胞周期」の解説
Aktは細胞周期に関与することが知られている。さまざまな状況で、Aktの活性化によってG1期およびG2期での細胞周期の停止が解除されることが示されている。さらに、活性化されたAktは、変異原性の可能性のある影響を受けた細胞の増殖と生存を可能にし、そのため他の遺伝子の変異獲得に寄与している可能性がある。
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細胞周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 04:18 UTC 版)
分裂促進因子は、主に細胞周期の進行の制限に関与するタンパク質群に影響を与える。G1チェックポイントは分裂促進因子によって最も直接的に制御されており、それ以降の細胞周期の継続には分裂促進因子は必要とされない。細胞周期の進行に分裂促進因子が必要でなくなる地点はR点(英語版)(restriction point、制限点)と呼ばれ、この地点の通過はサイクリンに依存している。分裂促進因子の存在によって刺激されていない場合、p53とRas経路によってサイクリンD1(英語版)のダウンレギュレーションが行われるが、分裂促進因子の存在下では十分量のサイクリンD1が産生される。シグナル伝達カスケードが進行すると、細胞分裂が十分に行われるよう細胞を刺激する他のサイクリンが産生される。動物は細胞周期の進行を駆動するための内部シグナルを産生するが、こうしたシグナルがない場合でも外来的な分裂促進因子によって進行を引き起こすことができる。
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細胞周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 08:12 UTC 版)
中心体マトリックスは間期の間は直径300nm程度のトーラス状の構造であるが、分裂期にはPLK1というキナーゼの活性によって直径400-500nmにまで拡大する。拡大した中心体マトリックスには多量のγチューブリン複合体が集積し、微小管形成能が強まることで、紡錘体の極を形成できる。細胞分裂の後期には、活性化したセパラーゼが中心体マトリックスの主要構成たんぱく質であるPCNTを切断し、中心体マトリックスは散逸・縮小する。
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