細胞周期とは? わかりやすく解説

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さいぼう‐しゅうき〔サイバウシウキ〕【細胞周期】

読み方:さいぼうしゅうき

細胞分裂生じた細胞娘細胞)が母細胞となり、再び細胞分裂するまでの過程分裂周期

[補説] 細胞内でDNA合成準備が行われるG1期、DNA合成が起こるS期細胞分裂準備が行われるG2期、細胞分裂が起こるM期4段階に分かれる


細胞周期

骨髄腸上皮、がん組織などの細胞細胞分裂盛んに繰返している。細胞分裂直後から一定の過程経て次の分裂に至る。この過程を細胞周期という。 細胞分裂期はM期DNA複製期はS期、さらにM期S期の間はG1期S期M期の間はG2期名づけられている。一周期の過程は、G1期S期G2期M期G1期サイクル繰返すそれぞれの期の経過時間は、細胞の種類生理的条件などによって異なるが、細胞培養による実験では、S期が8時間前後G2期が2時間前後M期1時間前後を示す場合が多い。G1期長短さまざまである放射線受けた細胞は、G1期の期間が長くなり、この間DNA損傷修復していると考えられている。

細胞周期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/30 03:58 UTC 版)

細胞周期(さいぼうしゅうき; cell cycle)は、一つの細胞が二つの娘細胞を生み出す過程で起こる一連の事象、およびその周期のことをいう。細胞周期の代表的な事象として、ゲノムDNAの複製と分配、それに引き続く細胞質分裂(dh)がある。


  1. ^ Smith JA, Martin L (April 1973). “Do cells cycle?”. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 70 (4): 1263–7. PMC 433472. PMID 4515625. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC433472/. 
  2. ^ a b Harvey Lodish; Paul Matsudaira; Monty Krieger; Arnold Berk; Chris A. Kaiser (2005). 分子細胞生物学. 石浦章一; 須藤和夫; 丸山工作; 石川統; 野田春彦 (5th ed.). 東京化学同人. ISBN 978-4807906154 
  3. ^ Nelson DM, Ye X, Hall C, Santos H, Ma T, Kao GD, Yen TJ, Harper JW, Adams PD (November 2002). “Coupling of DNA synthesis and histone synthesis in S phase independent of cyclin/cdk2 activity”. Mol. Cell. Biol. 22 (21): 7459–72. PMC 135676. PMID 12370293. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC135676/. 
  4. ^ Wu RS, Bonner WM (December 1981). “Separation of basal histone synthesis from S-phase histone synthesis in dividing cells”. Cell 27 (2 Pt 1): 321–30. doi:10.1016/0092-8674(81)90415-3. PMID 7199388. 
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  7. ^ 名称はMitosis(有糸分裂)に由来するが、M期は有糸分裂と続く細胞質分裂を含めた1個の母細胞が2個の娘細胞に分かれる分裂過程全体を示す。
  8. ^ De Souza CP, Osmani SA (2007). “Mitosis, not just open or closed”. Eukaryotic Cell 6 (9): 1521–7. doi:10.1128/EC.00178-07. PMID 17660363. 
  9. ^ Lilly M, Duronio R (2005). “New insights into cell cycle control from the Drosophila endocycle”. Oncogene 24 (17): 2765–75. doi:10.1038/sj.onc.1208610. PMID 15838513. 


「細胞周期」の続きの解説一覧

細胞周期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 17:57 UTC 版)

サイクリン依存性キナーゼ6」の記事における「細胞周期」の解説

1994年Matthew MeyersonとEd Harlowは、CDK4きわめて類似した遺伝子産物について研究行った。このPLSTIREと名付けられていた遺伝子から翻訳されるタンパク質は、CDK4同じくサイクリンD1英語版)、D2英語版)、D3英語版)と相互作用したが、CDK4とは別物であったその後、このタンパク質CDK6へと改名された。哺乳類細胞では、CDK6G1期初期サイクリンD1D2D3との相互作用を介して細胞周期の進行活性化する。この酵素によって遺伝子発現には多く変化生じる。サイクリンD複合体形成した後、CDK6Rbタンパク質をリン酸化する。このリン酸化の後、Rbタンパク質は結合パートナー転写活性化因子E2F英語版)を解離し解離したE2FDNA複製関与する遺伝子群を活性化するCDK6複合体は、分裂促進因子成長因子といった外部シグナル依存したG1期初期から、その後の非依存的な段階への切り替えポイントR点英語版))の保証行っている。 CDK6G1期からS期への移行制御に重要である。しかし近年全ての細胞種の増殖CDK6存在必要不可欠わけではないという証拠得られている。CDK6役割重要性細胞種によって異な可能性があり、CDK4CDK2その役割補償し機能している可能性がある。

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細胞周期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 16:27 UTC 版)

TGF-β」の記事における「細胞周期」の解説

TGF-βG1期進行を防ぐことで細胞周期の調節重要な役割を果たすTGF-βp15とp21の合成引き起こしRbタンパク質のリン酸化を担うサイクリン/CDK複合体遮断することで、細胞周期のG1期進行を防ぐ。TGF-βは細胞周期のG1期進行関与する遺伝子であるc-myc発現抑制する

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細胞周期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 02:53 UTC 版)

大腸菌」の記事における「細胞周期」の解説

細胞周期は3つの段階分かれている。B期は、細胞分裂完了DNA複製開始との間に発生する。C期は、染色体DNA複製するのにかかる時間を含む。D期は、DNA複製終了細胞分裂終わりの間の段階を指す。より多く栄養素利用可能である場合大腸菌倍加率はより高くなる。ただし、倍加時間がC期とD期の合計より短くなっても、C期とD期の長さ自体には変化はない。最速成長率を示す状況下では、複製ラウンド完了する前に次の複製開始されDNA沿って複数複製フォーク形成され、細胞周期が重複する急速に成長する大腸菌複製フォークの数は、通常2n(n=1、2、または3)である。これは同期複製呼ばれ複製複製起点から同時に開始され場合にのみ発生する。ただし、培養内の細胞は、全て同期的複製されるわけではない複数ペア複製フォーク存在しない細胞においては複製開始非同期になる。この非同期は、たとえばDnaA やDnaAイニシエーター関連タンパク質DiaAへの変異によって引き起こされている可能性がある。

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細胞周期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 16:34 UTC 版)

プロテインキナーゼB」の記事における「細胞周期」の解説

Aktは細胞周期に関与することが知られている。さまざまな状況で、Akt活性化によってG1期およびG2期での細胞周期の停止解除されることが示されている。さらに、活性化されAktは、変異原性可能性のある影響受けた細胞増殖生存可能にし、そのため他の遺伝子変異獲得寄与している可能性がある。

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細胞周期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 04:18 UTC 版)

分裂促進因子」の記事における「細胞周期」の解説

分裂促進因子は、主に細胞周期の進行制限関与するタンパク質群に影響与える。G1チェックポイント分裂促進因子によって最も直接的に制御されており、それ以降の細胞周期の継続には分裂促進因子は必要とされない。細胞周期の進行分裂促進因子が必要でなくなる地点R点英語版)(restriction point制限点)と呼ばれ、この地点通過サイクリン依存している。分裂促進因子存在によって刺激されていない場合p53Ras経路によってサイクリンD1英語版)のダウンレギュレーションが行われるが、分裂促進因子存在下では十分量サイクリンD1産生される。シグナル伝達カスケード進行すると、細胞分裂十分に行われるよう細胞刺激する他のサイクリン産生される。動物は細胞周期の進行駆動するための内部シグナル産生するが、こうしたシグナルない場合でも外来的な分裂促進因子によって進行引き起こすことができる。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 08:12 UTC 版)

中心体マトリックス」の記事における「細胞周期」の解説

中心体マトリックス間期の間は直径300nm程度トーラス状の構造であるが、分裂期にはPLK1というキナーゼ活性によって直径400-500nmにまで拡大する拡大した中心体マトリックスには多量γチューブリン複合体集積し微小管形成能が強まることで、紡錘体形成できる細胞分裂後期には、活性化したセパラーゼ中心体マトリックスの主要構成たんぱく質であるPCNT切断し中心体マトリックス散逸縮小する

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