かく‐しょうたい〔‐セウタイ〕【核小体】
読み方:かくしょうたい
⇒仁(じん)4
核小体
核小体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/04 19:45 UTC 版)
細胞生物学 | |
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核小体(かくしょうたい、拉,独,英:nucleolus)は、真核生物の細胞核の中に存在する、分子密度の高い領域で、rRNAの転写やリボソームの構築が行われる場所のこと。一般に光学顕微鏡で観察できる。直径1〜3μm程度。仁、核仁とも言われる。生体膜によって明確に区分される構造ではない。成長期の細胞や活発に機能する細胞でよく発達する。
細胞周期の進行する中で前期には消失して核分裂に備え、rDNAからの転写とともに再形成される。
核小体を電子顕微鏡で観察すると、繊維状中心部 (Fibrillar centre: FC)、高密度繊維状部 (Dense fibrillar component: DFC)の二層と、周辺部にある顆粒部 (Granular component: GC)が認められる。RNAの転写とプロセシングは中央二層の領域で行われると考えられているが詳細については議論が残る。
rDNAからRNAポリメラーゼIによって転写されたrRNA前駆体はsnoRNA等の働きによりプロセシングを受け18S、5.8S、28S(高等動物の場合)のrRNAとなる。
真核生物の rRNAはこれにRNAポリメラーゼIIIによって転写された5S RNAを加えた物。rRNAにリボソーム蛋白質が会合して形成されたリボソームは核膜孔を経て細胞質に運ばれ翻訳装置として機能する。近年核細胞質間の輸送において核小体の機能が注目されている。
核小体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:30 UTC 版)
詳細は「核小体」を参照 核小体は、濃密に染色される構造体として核内に存在している。核小体は膜に囲まれておらず、サブオルガネラ (suborganelle) と呼ばれることもある。リボソームRNA (rRNA) をコードするDNA (rDNA) のタンデムリピートの周囲に形成される。これらの領域は核小体形成域 (nucleolus organizer region) と呼ばれる。核小体の主な役割はrRNAの合成とリボソームの組み立てである。核小体の構造的凝集はその活性に依存している。核小体でのリボソームの組み立てが核小体構成要素の一時的な結合をもたらし、それによってさらにリボソームの組み立てが促進され、さらに結合が行われる。このモデルは、rDNAの不活性化によって核小体構造が混合するという観察によって支持されている。 リボソームの組み立ての最初のステップでは、RNAポリメラーゼIと呼ばれるタンパク質がrDNAを転写し、大きなpre-rRNA前駆体が形成される。そして、5.8S、18S、28S rRNAのサブユニットへ切断される。転写と転写後プロセシング、そしてrRNAの組み立ては、核小体低分子RNA (snoRNA) の助けによって行われる。そのいくつかは、リボソームの機能に関連する遺伝子をコードするmRNAからスプライシングされたイントロンに由来する。組み立てられたリボソームのサブユニットは核膜孔を通過する最も大きな構造である。 電子顕微鏡による観察では、核小体は3つの判別可能な領域から構成されていることが観察される。最も内側の fibrillar center (FC)、それを取り囲む濃密な dense fibrillar component (DFC)、外側の境界部の granular component (GC) である。rDNAの転写はFCまたはFC-DFC境界で起こり、そのため、細胞でrRNAの転写が増加すると、より多くのFCが検出されるようになる。rRNAの切断と修飾の大部分はDFCで行われ、リボソームサブユニットへのタンパク質の組み込みを伴う後半のステップはGCで行われる。
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