りんさん‐か〔‐クワ〕【×燐酸化】
リン酸エステル転移
リン酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 04:08 UTC 版)
リン酸化(リンさんか、英語: phosphorylation)は、各種の有機化合物、なかでも特にタンパク質にリン酸基を付加させる化学反応である。この反応は、生化学の中で大きな役割を担っており、2013年2月現在、MEDLINEデータベースのタンパク質のリン酸化に関する記事は21万にも及んでいる。
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リン酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 04:21 UTC 版)
FOXO1のリン酸化はPI3K/AKT経路(英語版)の活性化によるものである。また、SGK1もFOXO1をリン酸化して不活性化することができる。FOXO1はAKT/SGK1によるリン酸化によって核から細胞質へ移行し、不活性化される。FOXO1はAKT/SGK1によってThr24、Ser256、Ser319の3か所が直接リン酸化される。さらに、AKT/SGK1によるSer256のリン酸化はDNA結合ドメインの電荷を正電荷から負電荷へ変化させるため、FOXO1はDNAとの相互作用を喪失する。 インスリンシグナル伝達カスケードのIRS1とIRS2もAKTのリン酸化を介してFOXO1を調節する。AKTはFOXO1をリン酸化して細胞質へ蓄積させる。成長因子によって活性化されるプロテインキナーゼであるカゼインキナーゼ1(英語版)もFOXO1をリン酸化して細胞質へ移行させる。
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リン酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/05 21:43 UTC 版)
「糖質コルチコイド受容体」の記事における「リン酸化」の解説
GRのリン酸化は大きく基底リン酸化(Basal Phosphorylation)と過剰リン酸化(Hyper Phosphorylation)に分けられる。過剰リン酸化はリガンド依存的に生じてGRの機能に影響を与えることから研究対象となることが多い。また、これらのリン酸化は細胞周期により制御されており、過剰リン酸化はS期に高く、G2/M期にはほとんど見られない。ヒトのGRの過剰リン酸化部位はN末端ドメインに5箇所存在し、全てSer残基である。
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リン酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:25 UTC 版)
切断以外では、リン酸化が最も重要なタンパク質の化学的修飾かもしれない。リン酸基はセリン、トレオニン、チロシン残基の水酸基に結合して負電荷を与え、非天然アミノ酸にする。この反応はキナーゼによって触媒され、逆反応はホスファターゼによって触媒される。セリンやトレオニンは構造変化を起こしてしまうため、リン酸化チロシンはよくタンパク質同士を負電荷により接着する道具として使われる。リン酸化されたセリンやトレオニンの効果は、その部分をグルタミン酸に置換することで確かめられる。
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リン酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/23 15:45 UTC 版)
「サイクリン依存性キナーゼ」の記事における「リン酸化」の解説
CDKが十分なキナーゼ活性を発揮するためには、活性部位に近接するスレオニン残基のリン酸化が必要である。CDK活性化キナーゼ(CAK)がこの部位のリン酸化を行うことはさまざまなモデル生物で示されている。一方このリン酸化が起こる時期はさまざまで、哺乳類細胞ではサイクリンの結合後に起こり、酵母細胞ではサイクリンの結合前に起こる。CAKの活性は既知の細胞周期経路では調節されておらず、そのためサイクリンの結合がCDKの活性化の律速段階である。 CDKを活性化するリン酸化とは異なり、CDKを阻害するリン酸化は細胞周期の調節に重要である。さまざまなキナーゼやホスファターゼがCDKのリン酸化状態を調節している。チロシン残基にリン酸を付加するキナーゼの1つがWee1(英語版)であり、全ての真核生物に保存されている。出芽酵母は2つ目のキナーゼMik1を持っており、チロシン残基をリン酸化することができる。脊椎動物にはMyt1と呼ばれる別の2つ目のキナーゼを持っており、これはWee1と関連しているがスレオニンとチロシン残基の双方をリン酸化することができる。Cdc25(英語版)ファミリーのホスファターゼはスレオニンとチロシン残基を脱リン酸化する。
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リン酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 21:30 UTC 版)
ヒストンのリン酸化はプロテインキナーゼ(PTK)、脱リン酸化はプロテインホスファターゼ(PP)によって触媒される。ヒストンのアセチル化と同様に、ヒストンのリン酸化は正電荷を中和し、ユークロマチンと遺伝子発現の増加を誘導する。ヒストンのリン酸化は、主にヒストンN末端テールのセリン(S)、スレオニン(T)、チロシン(Y)残基に対して行われる。 さらに、ヒストンのリン酸化はDNA修復や細胞分裂時のクロマチン凝縮に関与していることが知られている。その一例はヒストンH2AXのS139のリン酸化であり、DNA二本鎖切断の修復に必要である。
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リン酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 16:34 UTC 版)
「プロテインキナーゼB」の記事における「リン酸化」の解説
PIP3を介して正しく膜に配置されたAktは、PDPK1(英語版) (phosphoinositide dependent kinase 1) によって308番 目のスレオニン残基が、mTORC2(英語版) (mammalian target of rapamycin complex 2) によって473番目のセリン残基がリン酸化されて活性化されるが、最初に起こるのはmTORC2によるリン酸化であり、これによってその後のPDPK1によるリン酸化が促進される。473番目のセリン残基に対するリン酸化は、インテグリン結合キナーゼ (ILK)やMAPKAK2 (mitogen-activated protein kinase-activated protein kinase 2)といった他の酵素によって行われることもある。 活性化されたAktは、そのキナーゼ活性によって多数の基質(mTORなど)を活性化または不活性化し続ける。 AktはPI3Kの下流のエフェクター分子であるだけでなく、PI3K非依存的な方法によっても活性化される。非受容体型のチロシンキナーゼであるACK1 (TNK2) はAktの176番目のチロシン残基をリン酸化し、PI3K非依存的な活性化を引き起こす。インスリン存在下では、cAMP量の増加によってプロテインキナーゼA (PKA) を介してAktが活性化されることが、研究からは示唆されている。
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