Na+/K+-ATPアーゼ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/30 23:00 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動Na+/K+-ATPアーゼ(英語: Na+/K+-ATPase, NAKA)は、2種のサブユニットから成る細胞の膜輸送系の膜貫通タンパク質(EC 3.6.3.9)である。片仮名転記では、表記揺れでNa+/K+-ATPエースとも書かれる。この酵素は、細胞内でのATPの加水分解と共役して細胞内からナトリウムイオンを汲み出し、カリウムイオンを取り込むのでナトリウム-カリウムポンプ(Na+/K+ポンプ)または単にナトリウムポンプ(Na+ポンプ)とも呼ばれる。ヒトの全ての細胞で見られる共通のタンパク質である。
Na+/K+-ATPアーゼの発見
Na+/K+-ATPアーゼは1957年に、イェンス・スコウがデンマークのオーフス大学の生理学部助教授として勤務していた時期に発見した。1997年に、彼はナトリウム-カリウムポンプの発見の功績によりポール・ボイヤー、ジョン・E・ウォーカーと共に、ノーベル化学賞を受賞した。
作用
ポンプの作用を式にすると、次の通りである。
αサブユニット
αサブユニット(約1000残基)は、酵素活性を持ち糖鎖を持たないサブユニットである。各々の哺乳類のαサブユニットの配列は、約98パーセントが同一であり、約8本の膜貫通αヘリックスと2個の大きな細胞質ドメインで構成されると推定されている。
βサブユニット
βサブユニット(約300残基)は、糖鎖を持つサブユニットで、1本の膜貫通ヘリックスと大きな細胞外ドメイン構造が推定されている。機能は不明であり、なぜ2量体構造が必要であるのかも判っていない。
出典
- ^ 小林 静子・馬場 広子・平井 みどり(編集)『新しい機能形態学 ―ヒトの成り立ちとその働き―(第2版)』 p.7、p.13 廣川書店 2007年3月25日発行 ISBN 978-4-567-51561-0
- ^ 森本 武利・彼末 一之(編集)『やさしい生理学(改訂第5版)』 pp.162 - 166 南江堂 2005年10月1日発行 ISBN 978-4-524-23967-2
関連項目
固有名詞の分類
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