βサブユニット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 18:16 UTC 版)
「電位依存性カルシウムチャネル」の記事における「βサブユニット」の解説
細胞内のβサブユニット(55 kDa)は、グアニル酸キナーゼ(GK)ドメインとSH3ドメイン(英語版)を含む細胞内MAGUK(英語版)様タンパク質である。βサブユニットのGKドメインはα1サブユニットのI-II間の細胞内ループへ結合し、HVGCCの活性を調節する。βサブユニットには4つの遺伝子が知られている。 CACNB1(英語版) (CACNB1) CACNB2(英語版) (CACNB2) CACNB3(英語版) (CACNB3) CACNB4(英語版) (CACNB4) 細胞質のβサブユニットは、α1サブユニットのコンフォメーションの安定化、そしてα1サブユニットの小胞体保持シグナルを覆って細胞膜へ運搬する役割を持つと考えられている。小胞体保持シグナルはα1サブユニットのI-IIループに含まれているため、βサブユニットが結合すると覆い隠される。そのため、βサブユニットは細胞膜に発現するα1サブユニットの量を調節することで、電流強度を調節する。 この輸送における役割に加えて、βサブユニットは活性化・不活性化の速度の調節にも重要な機能を果たす。α1サブユニットの活性化の際の電位依存性を過分極側へシフトさせるため、より小さな脱分極でより大きな電流が流れるようになる。 最近まで、α1サブユニットのドメインIとIIのあいだのリンカー中の高度に保存された18アミノ酸の領域(Alpha Interaction Domain、AID)とβサブユニットのGKドメインの領域(Alpha Interaction Domain Binding Pocket)との相互作用がβサブユニットの調節効果を担う唯一の相互作用であると考えられてきた。しかし、βサブユニットのSH3ドメインがチャネル機能に対する付加的な調節効果を示すことが発見され、βサブユニットが複数の調節相互作用を有している可能性が開かれた。さらに、AIDの配列は小胞体保持シグナルを含んでいるようには見えず、シグナルはリンカーの他の領域に位置している可能性がある。
※この「βサブユニット」の解説は、「電位依存性カルシウムチャネル」の解説の一部です。
「βサブユニット」を含む「電位依存性カルシウムチャネル」の記事については、「電位依存性カルシウムチャネル」の概要を参照ください。
βサブユニット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/30 23:00 UTC 版)
「Na+/K+-ATPアーゼ」の記事における「βサブユニット」の解説
βサブユニット(約300残基)は、糖鎖を持つサブユニットで、1本の膜貫通ヘリックスと大きな細胞外ドメイン構造が推定されている。機能は不明であり、なぜ2量体構造が必要であるのかも判っていない。
※この「βサブユニット」の解説は、「Na+/K+-ATPアーゼ」の解説の一部です。
「βサブユニット」を含む「Na+/K+-ATPアーゼ」の記事については、「Na+/K+-ATPアーゼ」の概要を参照ください。
βサブユニット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:23 UTC 版)
「ナトリウムチャネル」の記事における「βサブユニット」の解説
ナトリウムチャネルのβサブユニットは、細胞外のN末端と細胞質側のC末端を持つ1型膜貫通糖タンパク質である。免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのメンバーであり、細胞外領域に典型的なVセット(英語版)Igループを含んでいる。ナトリウムチャネルのβサブユニットは、カルシウムチャネルやカリウムチャネルのβサブユニットとの相同性は見られない。その代わり、NCAMやL1ファミリーの細胞接着分子と相同である。βサブユニットは、発見順にSCN1B、SCN2B、SCN3B、SCN4Bと名付けられた4つの種類が存在する(表2)。β1とβ3は非共有結合的にαサブユニットと結合するが、β2とβ4はジスルフィド結合を形成する。
※この「βサブユニット」の解説は、「ナトリウムチャネル」の解説の一部です。
「βサブユニット」を含む「ナトリウムチャネル」の記事については、「ナトリウムチャネル」の概要を参照ください。
βサブユニット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 22:22 UTC 版)
「RNAポリメラーゼ」の記事における「βサブユニット」の解説
β'サブユニットとともに転写産物の伸長を担う。どちらもDNAとの結合部位を持つが、βサブユニットのそれはN末端近くのMet30〜Met102の領域である。静電相互作用で弱く結合する。エフゲニー・ナドラー (Evgeny Nudler) の1996年の実験によると、DNAの-6〜+1が結合標的であり、転写中この部位は融解している。DNAとの接続で中心になるのは別のβ'サブユニットの結合部位であるが、βサブユニットのそれはその上流に位置する。このため、上流へと吐き出される転写産物が鋳型鎖との結合を脅かしたとしても、RNAポリメラーゼの活性に大きな影響はない。また、ナドラーの別の実験によると、βサブユニットはβ’の結合にも関わるようである。 ホロ酵素の活性部位を構成するタンパク質の一つであり、補因子であるMg+と結合する3つのアスパラギン酸を持つ。 βサブユニットは微生物に対する代表的な抗生物質であるリファンピシンとストレプトリジギンの直接的な作用標的である。したがってこの2つの抗生物質は転写の伸長を阻害する。ただし、ストレプトリジギンは開始段階に効果があるとされている。これは、開始段階にも10ntのRNA(アボーティブ転写産物)を合成する過程があり、これを阻害するためである。
※この「βサブユニット」の解説は、「RNAポリメラーゼ」の解説の一部です。
「βサブユニット」を含む「RNAポリメラーゼ」の記事については、「RNAポリメラーゼ」の概要を参照ください。
β'サブユニット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 22:22 UTC 版)
「RNAポリメラーゼ」の記事における「β'サブユニット」の解説
β'サブユニットは、転写の開始段階においてRNAポリメラーゼホロ酵素が-11〜+1位を巻き戻すことを助ける。この巻き戻しはいわゆる開放型複合体の形成であるが、その際に非鋳型鎖の-10領域中にRNAポリメラーゼの結合が必要である。キャロル・グロス (Carol Gross) らの研究によると、結合はβ'の262〜309のアミノ酸領域が促す。 伸長段階においてはRNAポリメラーゼホロ酵素のDNA結合を担う。すなわち、C末端近くのMet1230〜Met1273で+2〜+11の領域に強く疎水性相互作用する。このDNA領域はβサブユニットとの結合部位と異なり、転写中は二重らせんのままである。
※この「β'サブユニット」の解説は、「RNAポリメラーゼ」の解説の一部です。
「β'サブユニット」を含む「RNAポリメラーゼ」の記事については、「RNAポリメラーゼ」の概要を参照ください。
- βサブユニットのページへのリンク