DNA結合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 15:58 UTC 版)
CTCFは CCGCGNGGNGGCAG というコンセンサス配列に結合する。この配列はCTCFが持つ11個のジンクフィンガーモチーフによって決定される。CTCFの結合は結合配列のCpGメチル化によって阻害される。 19種類の細胞(12種類の正常細胞と7種類の不死化細胞)には平均して55,000箇所、総計で77,811箇所のCTCF結合部位が存在するという報告がなされている。CTCFの複数の配列に結合する能力はジンクフィンガーをさまざまな組み合わせで用いることで可能になっており、「多価タンパク質」としての性質を獲得している。30,000以上のCTCF結合部位が同定されているという報告もなされている。ヒトゲノムは細胞種に応じて15,000から40,000のCTCF結合部位を含んでおり、CTCFが広範に遺伝子調節に利用されていることが示唆される。加えて、CTCFの結合部位はヌクレオソームを配置するアンカーとしても機能しており、さまざまなゲノム上のシグナルのアラインメントにCTCF結合部位を利用した場合には、近接するヌクレオソームが容易に同定される。一方、高分解能でのヌクレオソームのマッピングの研究においては、細胞種間でのCTCFの結合の差異はヌクレオソームの位置の違いによるものであることが示されている。一部の遺伝子では、メチル化によるCTCFの結合部位の喪失が男性不妊などのヒトの疾患に関係していることが判明している。
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