DNA複製に関係するタンパク質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 08:04 UTC 版)
「DNA複製」の記事における「DNA複製に関係するタンパク質」の解説
ここでは、DNA複製に関係するタンパク質をいくつか簡単に取り上げる。ただし、DNA複製中に行われるDNA修復に関わるもの(DNAフォトリアーゼなど)やテロメア複製に関わるもの(テロメラーゼなど)は除く。 DNAポリメラーゼ 詳細は「DNAポリメラーゼ」を参照 DNAを合成する反応を行う酵素をDNAポリメラーゼと呼ぶが、1つの生物種がいくつもの種類を持つ。大腸菌の場合、DNAポリメラーゼI (pol I) とII (pol II)、III (pol III) がある。このうち、このページで登場した、DNAの合成を担うのはpol IIIである。すなわち、細菌のDNA複製の担い手はpol IIIである。真核生物の場合、DNAポリメラーゼはα、β、γ、δ、εの5種類。DNA伸長をするのはDNAポリメラーゼδである。αはプライマーゼ、βとεがDNA修復を担う。γはミトコンドリアのDNA複製を行う。さらに、ヒトにはDNA修復にかかわる酵素としてDNAポリメラーゼζ、η、θ、ι、κも発見されている。 DNAクランプ 詳細は「DNAクランプ」を参照 DNAポリメラーゼと特異的かつ強力に結合し、伸長反応中にds-DNAから解離することを防ぎ、伸長段階の連続反応性を保証するタンパク質。 DNAリガーゼ 詳細は「DNAリガーゼ」を参照 DNA2本鎖中に、5'-末端がリン酸基 (5'-P) 、3'-末端がヒドロキシ基 (3'-OH) の状態の1本鎖切断部位(ニック)が存在するとき、この部位を認識してホスホジエステル結合により連結する酵素である。DNA複製時に、岡崎フラグメントの連結を行うほか、修復合成や組み換え反応におけるDNA鎖連結反応にも関与する。 DNAトポイソメラーゼ 詳細は「DNAトポイソメラーゼ」を参照 DNAのリンキング数を変えて別のトポロジー体(トポイソマー)に変換させる酵素。この変換のためにDNAを一時的に切断するが、その様式によってI型とII型の2種類に分類される。I型は二本鎖の一方の鎖だけを一時的に切断し、一方、II型は両鎖の一時的切断を引き起こす。I型は#DNAのよじれの解消で、II型は#脱カテナン化およびヌクレオソームの組み立てで活躍する。 DNAヘリカーゼ 詳細は「ヘリカーゼ」を参照 親鎖の二重らせんをほどくことで、複製フォークを進行させる巻き戻し酵素。 DNAプライマーゼ 詳細は「DNAプライマーゼ」を参照 プライマーを合成する酵素。
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