DNA超らせんを制御するタンパク質群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/21 02:56 UTC 版)
「DNA超らせん」の記事における「DNA超らせんを制御するタンパク質群」の解説
上の項では、DNA超らせんがゲノムの組織化に深く関わっていることを記した。しかし、逆に細胞内で起こるイベント(例えば、DNA複製や転写)が、DNAの二重らせんにひずみを与え、周辺の領域のDNA超らせんの状態を変化させることも知られている。そのひずみがうまく解消されないと、DNA複製や転写の反応は大きく阻害されてしまう。細胞内DNA超らせんを制御する一群のタンパク質が、トポイソメラーゼと呼ばれる酵素群である。トポイソメラーゼは一時的なDNA鎖の切断・再結合を触媒して、2重鎖DNAのリンキング数を変化させる。反応の機序から、I 型と II 型に分類される(トポイソメラーゼの項参照)。また、II 型トポイソメラーゼは、複製後の娘2重鎖DNA間に生じる絡まり(カテナン [catenanes])を解消する活性をもつ。この活性は姉妹染色分体の分割と分離に必須である。 一方、染色体凝縮に関与するタンパク質複合体コンデンシンは、ATP 加水分解に依存して2重鎖DNAに正のねじれを導入する活性をもつ。しかしこの活性はDNAの切断・再結合を伴わない(リンキング数を変化させることはない)ので、いわゆるトポイソメラーゼ活性とは異なる。コンデンシンは、この活性を通してヌクレオソーム繊維の折り畳みに関与するとともに、姉妹染色分体の分割と分離を促進している可能性がある。
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