DNA組換えとは? わかりやすく解説

遺伝的組換え

(DNA組換え から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 20:20 UTC 版)

遺伝的組換え(いでんてきくみかえ)は、狭義には、生物自身が遺伝子をコードするDNA鎖を途中で組み変える現象を指す。英語のRecombinationに相当する言葉として用いられる。広義には人工的な遺伝子組換えも遺伝的組換えと記述される。

組換え価

同じ染色体上にある二組の遺伝子座間で組換えが起こる確率を組換え価(または組換え確率、英語: recombination rate)と言う。幾つかのモデル生物でゲノムの全塩基配列が決定された結果、遺伝的組換え価に基づいた遺伝学的地図上の距離と染色体上の物理的な距離とは必ずしも相関しないことが明らかになっているが、現在でも遺伝的組換えの結果を推定する際には有用な指標となっている。

片親(父親でも母親でもよい)由来の遺伝子座 j 上の対立遺伝子が、そのさらに父親(つまり祖父)由来であるとき Sj = 0、母親(つまり祖母)由来であるとき Sj = 1 であるとする。定義によれば、SjSj' であるとき、遺伝子座 j と遺伝子座 j' の間に組換えが起こったと言う。従って組換え確率 θ は次のように定義される。


DNA組換え

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 06:04 UTC 版)

DNAリガーゼ」の記事における「DNA組換え」の解説

DNAリガーゼ分子生物学実験遺伝子工学において組換えDNA作るための道具となっている。たとえば制限酵素切断したDNA断片プラスミド組み込む際や、DNA断片アダプタ配列結合させる際に用いられる。この目的のためにはT4ファージ由来T4 DNAリガーゼ用いられることが多い。末端相補的な一本鎖突出している粘着末端場合対合した二本鎖に作用することで高効率反応が進むが、T4 DNAリガーゼ用いると条件次第突出のない平滑末端同士結合させるともできる粘着末端結合は、たとえば次のような反応である: 5'-AGTCTGATCTGACC TCGAGGTATGCTAGTGCT-3'3'-TCAGACTAGACTGGAGCT CCATACGATCACGA-5' ↓ 5'-AGTCTGATCTGACCTCGAGGTATGCTAGTGCT-3'3'-TCAGACTAGACTGGAGCTCCATACGATCACGA-5' T4 DNAリガーゼ反応至適温度25であるが、粘着末端結合させるにはその突出部位融解温度(Tm)と整合させることが重要になる。もし反応温度Tm越えていると、突出部位対合不安定になり反応効率低くなる。よく使われる4塩基突出Tm1216である。 平滑末端結合は、たとえば次のような反応である: 5'-AGTCTGATCTGACTGAGAT ATCTGCTAGTGCT-3'3'-TCAGACTAGACTGACTCTA TAGACGATCACGA-5' ↓ 5'-AGTCTGATCTGACTGAGATATCTGCTAGTGCT-3'3'-TCAGACTAGACTGACTCTATAGACGATCACGA-5' 平滑末端場合にはそもそも対合起きないのでTm考慮する要はないが、反応温度高くなる溶液中の分子運動活発化し、DNA末端結合出来位置出会う確率低くなってしまう。そのためやはり1420という低温反応を行うことが一般的になっている。

※この「DNA組換え」の解説は、「DNAリガーゼ」の解説の一部です。
「DNA組換え」を含む「DNAリガーゼ」の記事については、「DNAリガーゼ」の概要を参照ください。

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