ジンクフィンガーとは? わかりやすく解説

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ジンクフィンガー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/04 23:35 UTC 版)

ジンクフィンガーの模式図。亜鉛は黄緑色で表され、ヒスチジン、システイン2残基ずつと結合している
ジンクフィンガーの名の由来となった手掌様構造
DNAと結合する、3つのジンクフィンガーを持ったZif268

ジンクフィンガー(Zinc finger)はタンパク質ドメインの大きなスーパーファミリーの1つで、DNAに結合する性質を持つ。ジンクフィンガーは2つの逆平行βシートと1つのαヘリックスからなる。小さすぎて疎水中心を持たないため亜鉛イオンが安定化にとって重要である。

分類

最もよく研究されたC2H2クラスのジンクフィンガーでは、βシートの2つのシステイン残基とαヘリックスの2つのヒスチジン残基が亜鉛イオンとの結合に関わっていた。ジンクフィンガーの他の2つのクラスはC4とC6である。亜鉛イオンがDNAと結合して特別な構造モチーフを形成するため、ジンクフィンガーは遺伝子調節に重要な役割を果たす。

構造

それぞれのジンクフィンガーの構造はよく保存され、およそ30のアミノ酸残基からなり、ββαフォールドで亜鉛イオンを持つ。αヘリックスはC末端、βシートはN末端に位置する。

という保存配列を持つ。

タンパク質

Zif268などの多くの転写因子や調節タンパク質がジンクフィンガーを持つ。これらのタンパク質では通常、DNA二重らせんの主溝とジンクフィンガーのαヘリックスが相互作用する。

初期の神経の発達を調整する、ニューロン特異的な転写因子もジンクフィンガー構造を持つ。

結合

DNAと結合するαヘリックス中のアミノ酸残基は-1、3、6の位置にあり、αヘリックスが部分的に緩むことによりDNAと結合できるようになる。そのほかの位置のアミノ酸は、タンパク質が特定の塩基の位置に配置できるように支援したり、反対の鎖と4番目の結合を作ったりして結合特異性の維持に役立っている。

関連項目


ジンクフィンガー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 02:09 UTC 版)

RNA結合タンパク質」の記事における「ジンクフィンガー」の解説

CCHH型のジンクフィンガードメインは、真核生物ゲノム中で最も一般的なDNA結合ドメインである。高いDNA配列認識特異性達成するために、いくつかのジンクフィンガーがモジュール状に利用される。ジンクフィンガーはββα型タンパク質フォールド持ちβヘアピンαヘリックス亜鉛イオン(Zn2+)で連結されている。αヘリックスタンパク質側鎖による主溝側からDNA塩基との相互作用によって、DNA配列特異的な認識が可能となる。近年、ジンクフィンガーはRNA認識する能力もあることが発見されている。CCHH型のジンクフィンガーには2つRNA認識様式存在する1つRNA二重らせん主鎖対す非特異的結合で、もう1つは、バルジとして外に出た個々塩基特異的に認識するのである。これらに加えてCCCH型のジンクフィンガーにはさらに異なRNA結合様式存在し一本鎖RNA配列特異的な認識が行われる。配列特異的なRNA認識は、タンパク質主鎖官能基RNA塩基のワトソン・クリック端との分子間水結合ネットワークによって達成されている。

※この「ジンクフィンガー」の解説は、「RNA結合タンパク質」の解説の一部です。
「ジンクフィンガー」を含む「RNA結合タンパク質」の記事については、「RNA結合タンパク質」の概要を参照ください。

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