有機アルミニウム化合物
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有機アルミニウム化合物(ゆうき—かごうぶつ、organoalminium compound)は炭素−アルミニウム (C−Al) 結合を持つ有機化合物である。
歴史
1950年代まではほとんど知られていなかったが、カール・ツィーグラーらがトリアルキルアルミニウムの直接合成法を開発し、それらのオレフィン類の重合への応用を発表すると、工業的・学問的な重要性が認められ、広く知られるようになった。1972年には、それまでの有機アルミニウム化学に関する論文を網羅した総説が発表された。それ以来も重要な総説論文の発表が続いている。
特徴
アルミニウムは電子が欠乏しているため、通常3を超える配位数をとりやすい。ただし、Mes3Al (Mesはメシチル基、2,4,6-(CH3)3C6H2 を表す)など、置換する有機基がかさ高い場合は例外である。有機アルミニウム化合物の化学は C−Al 結合の動態、および単量体のルイス酸性の高さから理解される。
二量体 Me6Al2 (Meはメチル基、CH3 を表す)はその好例である。配位能を持たない溶媒中では架橋構造 Al−C−Al を持つが、Al−Me 結合の素早い交換が起こっており、これはプロトンNMRで観測される。すなわち、−25°Cでは架橋構造に由来する2本のシグナルを積分比1:2で示すのに対し、20°Cでは架橋部分と末端部分のメチル基の素早い交換が起こるため、それらのシグナルは融合して1本になる。単量体のルイス酸性の高さは、アルミニウム原子がオクテット則を満たしていないことによるものである。
合成法
実験室において、トリアルキルアルミニウム R3Al はメタセシスやトランスメタル化によって合成される。以下に例を挙げる。
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CH He CLi CBe CB CC CN CO CF Ne CNa CMg CAl CSi CP CS CCl CAr CK CCa CSc CTi CV CCr CMn CFe CCo CNi CCu CZn CGa CGe CAs CSe CBr CKr CRb CSr CY CZr CNb CMo CTc CRu CRh CPd CAg CCd CIn CSn CSb CTe CI CXe CCs CBa CHf CTa CW CRe COs CIr CPt CAu CHg CTl CPb CBi CPo CAt Rn Fr CRa Rf Db CSg Bh Hs Mt Ds Rg Cn Nh Fl Mc Lv Ts Og ↓ CLa CCe CPr CNd CPm CSm CEu CGd CTb CDy CHo CEr CTm CYb CLu Ac CTh CPa CU CNp CPu CAm CCm CBk CCf CEs Fm Md No Lr 凡例 有機化学 有機金属化学 研究段階 未発見
有機アルミニウム化合物と同じ種類の言葉
化合物に関連する言葉 | 有機塩素化合物(ゆうきえんそかごうぶつ) 無機シアン化合物 有機アルミニウム化合物 ポリエーテル化合物 活性メチレン化合物 |
有機金属化合物に関連する言葉 | ビス(ベンゼン)クロム 有機亜鉛化合物 有機アルミニウム化合物 有機ゲルマニウム化合物 有機水銀 |
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