有機テルル化合物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/15 01:28 UTC 版)
有機テルル化合物(ゆうきテルルかごうぶつ、英: Organotellurium compounds)は、テルル原子とアリル基やアルキル基、ビニル基、アルキニル基などが直結した化合物の総称である。
性質
一般的には有毒であり、揮発性のものは強い悪臭を持つ。同じ第16族元素である酸素、硫黄、セレンの有機化合物、特に有機セレン化合物に似た性質のものが多い。
2価、4価、6価のものが知られている。
- 2価
- 4価
- テルロキシド(RTe(=O)R')
- テルリン酸(RTeO2H)
- (R3TeX、R2TeX2、RTeX3)
- 6価
- テルロン(R2TeO2)
製法
下記のような製法がある。
- グリニャール試薬や有機リチウム化合物などの有機金属化合物、またはジアゾニウム塩とテルルとの反応
- 四塩化テルルの芳香族求電子置換反応、オレフィン・アセチレンへの求電子付加反応
- 無機テルルアニオン(Te22-、Te2-)とハロゲン化アルキルとの反応
用途
有機超伝導体のドナー化合物であるテトラテルラフルバレン誘導体など、いくつかの化合物は有機合成反応剤として有用である。 リビングラジカル重合においても有効である[1] 内臓の造影剤としても研究されている。
脚注
参考文献
- 高本進、稲本直樹、中原勝儼、山崎昶 『化合物辞典』 朝倉書店、1997年11月20日、初版。ISBN 4-254-14043-6。
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