カゼイン【(ドイツ)Kasein】
カゼイン
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カゼイン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 03:56 UTC 版)
カゼインミセルは、液状のミルク中に存在する最大の構造物であり、表層に界面活性剤ミセルと近かよったナノメートル大のリン酸カルシウム微細粒子を持つ、数千というタンパク質分子の集まりである。それぞれのカゼインミセルは、直径40-600nmのコロイド粒子である。カゼイン状タンパク質は αs1-, αs2-, β-, κ- の4タイプに分類できる。ミルク中に含まれるタンパク質のうち、重量比で76-86%を占めるカゼイン状タンパク質や、水に不溶のリン酸カルシウムのほとんどはミセルの中に捕らわれている。 ミセルの精密な構造に関して複数の理論が提唱されているが、最も外側の層はk-カゼイン(英語版)のみで構成され、周囲の流体に突き出ているという考えは共通している。このk-カゼイン分子は負の電荷を帯びているためにミセル同士は電気的に反発し合い、通常ならばそれぞれが離れた状態を維持し、水を主成分とする液体の中でコロイド状懸濁液となる。構造モデルの一つは「サブミセルモデル」と呼ばれ、小さなサブミセルが寄せ集まってミセルを作っているという考えである。これによると、ミセルの内側にはk-カゼイン含有量が少ないサブミセルがあり、これをk-カゼインに豊むサブミセルが覆いつつ、これらの間にリン酸カルシウムが存在する構造を持つ。他に提唱される「ナノクラスターモデル」では、中心にリン酸カルシウムの小さな集合体があり、その周囲に紐状のカゼインが付着している構造を取るという考えであり、この場合サブミセルは作られていない。 ミルクにはカゼイン以外にも、β-ラクトグロブリン(β-Lg)、乳糖合成に関与するα-ラクトアルブミン(α-La)、免疫グロブリン(IgG)、血清アルブミン(BSA)、ラクトフェリン(Lf)などそれぞれの機能を持つ多種多様なタンパク質が含まれている。これらはカゼインよりも水溶性が高いため、大きな構造には纏まらない。カードをつくるとカゼインが凝乳側に集まるのに対し、これらのタンパク質は乳清(ホエイ)側に残る。そのため乳漿蛋白(ホエイプロテイン)とも呼ばれる。乳漿蛋白は重量比でミルク中のタンパク質の20%を占める。代表的な乳漿蛋白はラクトグロブリン(英語版)である。
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