ミルク缶とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ミルク缶の意味・解説 

ミルク缶

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 17:09 UTC 版)

鉄道のプラットホームにミルク缶が置かれている。

ミルク缶: Milk churn)は、牛乳を輸送するための背が高い円錐形または円筒形の容器である[1]。milk canとも呼ばれる場合もある。

歴史

バター製造用のchurnのオリジナルの形式

元々、牛乳は取っ手と蓋があるペール缶で流通していた。しばしば、2つのペール缶が木製の天秤棒の両端にぶら下げて運ばれていた。鉄道で牛乳の輸送が開始されるとすぐに、ペール缶が不安定でこぼれ易く理想的ではないと証明された。酪農家は、木製で背が高い円錐形の容器であるen:Butter churn(牛乳を撹拌してバターを作る)を使っていて、これが鉄道輸送に望ましいと証明された。より多くの牛乳(約17ガロン)が入り、円錐形により安定してこぼれにくくなった。木製のものは本質的に重く、1850年代初めに金属製のものが導入され、すぐさま標準的なものになった。churnという単語はこれらの容器を表すものとして残ったが、それら自体がバター撹拌に使われることはなかった。

機能

イギリス国鉄ミルクタンク車英語版と同じように、ミルク缶も標準的な大きさだった。古い亜鉛めっき鉄の円錐形のものは17ガロン入り、1930年代に導入されたきのこに似た形の蓋がついた円筒形のものは12ガロン入った。それぞれの缶には所有企業を特定するための真鍮製のプレートが取り付けられ、いっぱいになれば、白紙のラベルが取り付けられ(円錐形の蓋の取っ手と円筒形の横の取っ手に結び付けられた)、酪農または乳製品製造工場(en:Creamery)により経理上の目的で使われた[2]。イギリスでは、缶の使用が1979年に取り止められた[3]ヨークシャー・デイルズ英語版では、「Milk Kit」としても知られていた。後に、12ガロンの鋼鉄製の缶は、10ガロンのアルミニウム合金の缶に取って代わられた。

ミルク缶スタンド

ミルク缶スタンド

イギリスでは、酪農家のミルク缶は道路脇にあった酪農のカートあるいはローリーに積み込むのにちょうどいい高さのプラットホームあるいはスタンドに置かれていたが、牛乳が農場からタンカーで収集されるようになると使われなくなり、1979年頃には完全に使用が取り止められた。一部が田園地方で歴史的な特徴として残っているが、ほとんどが解体されてしまったか廃れたままになっている[4][5][6]

ギャラリー

脚注

  1. ^ milk churn - Definition from Longman English Dictionary Online”. Ldoceonline.com. 2013年4月11日閲覧。
  2. ^ Mike Smith. “Milk - Dairies and Creameries”. Igg.org.uk. 2013年4月11日閲覧。
  3. ^ Hansard, 10 July 1978”. 2016年9月28日閲覧。
  4. ^ Council, Ceredigion County (2005-01-07). Ceredigion County Council Museum Collection: Milk churn. http://pilgrim.ceredigion.gov.uk/index.cfm?articleid=2316 2016年9月27日閲覧。. 
  5. ^ Council, Ceredigion County (2005-02-25). Ceredigion County Council Museum Collection: Milk churn stand. https://pilgrim.ceredigion.gov.uk/index.cfm?articleid=2760 2016年9月27日閲覧。. 
  6. ^ People's Collection Wales: Milk churn collection”. 2016年9月27日閲覧。

「ミルク缶」の例文・使い方・用例・文例

  • ミルク缶.
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ミルク缶」の関連用語

ミルク缶のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ミルク缶のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのミルク缶 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS