細胞周期におけるプロテアソームの関与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:04 UTC 版)
「プロテアソーム」の記事における「細胞周期におけるプロテアソームの関与」の解説
細胞周期の回転にはサイクリンとサイクリン依存性キナーゼ(CDK;cyclin dependent kinase)の複合体が重要な役割を担っている。細胞周期の回転はG1→S→G2→M期の順に進行し、例えばG1→Sの進行にはサイクリンE/CDK2が寄与している。G1期にはサイクリンEの発現が上昇して細胞周期の回転を進めるが、S期に入るとサイクリンEはリン酸化を受けプロテアソームにより分解を受けることが知られている。 また、上記とは反対にCDKのキナーゼ活性を阻害して細胞周期を負に制御するCDKインヒビター(p21、p27など)も、プロテアソーム依存的に分解されることで発現量の制御を受けるものが多く、サイクリン-CDKと協調して細胞周期の秩序だった進行やチェックポイント機構の制御に重要な役割を担っている。 細胞周期の回転に関与するユビキチンリガーゼとしてAPC/C(anaphase-promoting complex/cyclosome)とSCF(Skp1-cullin-F-box)が知られており、2大ユビキチンリガーゼといわれる。M期の細胞周期の回転にAPC/Cが関与しており、その他の時期にSCFが関与している。また、サイクリン/CDK2の抑制に働くp53の分解にMDM2(murine double minute2)が関与している。
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