スクシニルCoAとは? わかりやすく解説

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スクシニルCoA

分子式C25H40N7O19P3S
慣用名 スクシニルCoA、Succinyl-CoA、Adenosine 3'-phosphoric acid 5'-[diphosphoric acid P2-[(R)-3-hydroxy-2,2-dimethyl-3-[[2-[[2-[(4-oxo-4-hydroxybutyryl)thio]ethyl]carbamoyl]ethyl]carbamoyl]propyl]] ester、スクシニル補酵素A
体系名: アデノシン3'-りん酸5'-[二りん酸P2-[(R)-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-3-[[2-[[2-[(4-オキソ-4-ヒドロキシブチリル)チオ]エチル]カルバモイル]エチル]カルバモイル]プロピル]]


スクシニルCoA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/09/30 05:47 UTC 版)

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スクシニルCoA
識別情報
CAS登録番号 604-98-8
PubChem 1111
MeSH succinyl-coenzyme+A
特性
化学式 C25H40N7O19P3S
モル質量 867.608 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

スクシニルCoA(スクシニルこえー、スクシニルこえんざいむえー、succinyl-CoA、SucCoA)は、コハク酸補酵素Aからなる有機化合物である。

生体内での役割

α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼによる脱炭酸によってα-ケトグルタル酸から合成されるクエン酸回路の重要な中間体である。この過程で補酵素Aが付加される。

また、β酸化を受けることができない奇数脂肪酸であるプロピオニルCoAからも合成される[1]。プロピオニルCoAはD-メチルマロニルCoAカルボキシル化され、さらにL-メチルマロニルCoAに異性化され、そしてビタミンB12依存性酵素を経てスクシニルCoAの生成に再配列される。スクシニルCoAはクエン酸回路の中間体であり、それに容易に取り込まれる。

スクシニルCoAはスクシニルCoAシンターゼ(コハク酸チオキナーゼ)による補酵素Aの加水分解によりコハク酸に変換される。

また、スクシニルCoAはポルフィリン合成においてアミノレブリン酸合成酵素EC 2.3.1.37)によってグリシンと組み合わされ、δ-アミノレブリン酸(dALA)を形成する。

形成

スクシニルCoAはメチルマロニルCoAムターゼによるデオキシアデノシルB12の利用を通して、メチルマロニルCoAから形成することができる。この反応では、いくつかの分枝鎖アミノ酸や奇数鎖脂肪酸がプロピオン酸を経てスクシニルCoAへ異化される反応においてビタミンB12が重要な役割を演ずる。

脚注

  1. ^ Halarnkar PP, Blomquist GJ (1989). “Comparative aspects of propionate metabolism”. Comp. Biochem. Physiol., B 92 (2): 227–31. doi:10.1016/0305-0491(89)90270-8. PMID 2647392. 

スクシニルCoA(サクシニルCoA)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 13:53 UTC 版)

補酵素A」の記事における「スクシニルCoA(サクシニルCoA)」の解説

コハク酸補酵素Aチオエステル化合物で、クエン酸回路構成する化合物1つである。これは2-オキソグルタル酸補酵素Aが2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼによって反応してできる化合物で、スクシニルCoAシンテターゼにより、コハク酸となる。この化合物重要な役割クエン酸回路中間体であるということだけでなく、クエン酸回路反応調節する点にある。スクシニルCoAによってクエン酸シンターゼ及び2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼアロステリック効果により阻害を受けるのである。スクシニルCoAは脂肪酸代謝でも重要な役割を果たす脂肪酸代謝において、偶数個の炭素有する脂肪酸β酸化によりアセチルCoA単位分割されクエン酸回路組み込まれるが、奇数個の炭素有する脂肪酸最後にプロピオニルCoA残ってしまう(プロピオニルCoAアミノ酸の代謝によっても生成する)。これを代謝するためにプロピオニルCoA特殊な酸化を受ける。即ち、プロピオニルCoAカルボキシラーゼによって2位炭素カルボキシル化し、D-メチルマロニルCoAとなる。さらにこれはメチルマロニルCoAラセマーゼによりラセミ化し、L-メチルマロニルCoAとなる。これがメチルマロニルCoAムターゼにより異性化し、スクシニルCoAとなった上でクエン酸回路組み込まれるのである

※この「スクシニルCoA(サクシニルCoA)」の解説は、「補酵素A」の解説の一部です。
「スクシニルCoA(サクシニルCoA)」を含む「補酵素A」の記事については、「補酵素A」の概要を参照ください。

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