神経ガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/06 15:53 UTC 版)
神経ガス(しんけいガス)または神経剤(しんけいざい, Nerve agent)は有機リンの一種で、神経伝達を阻害する作用を持つ化合物の総称である[1]。神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する酵素アセチルコリンエステラーゼの働きを阻害することにより、神経伝達を阻害する。慣習的に「神経剤」と呼ばれているが、脳内の中枢神経や感覚神経に対する作用は弱く、実質的には筋肉の正常な動きをできなくするコリンエステラーゼ阻害剤[1]であるため、神経毒ではなく酵素毒に分類されることがある。化学兵器(毒ガス)としても認知されており、国際連合から大量破壊兵器としての指定も受けている。1993年に締結され1997年4月29日に発効した化学兵器禁止条約により、多くの国で製造と保有が禁止されている。
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