シクロサリン
有機リン系の神経ガスの一種。サリンを前駆体とし、そのイソプロピル基をシクロヘキシル基に置換した化合物である。シクロサリンの人体に対する毒性は極めて高く、サリンの約5倍とされている。1949年に、ドイツのゲルハルト・シュラーダーが開発した。イラン・イラク戦争の頃に、イラクが兵器として大量に生産し、サリンと混合して使用したことが知られている。1993年の化学兵器禁止条約で製造および貯蔵が禁止された。2014年1月に、オウム真理教がサリンとともにシクロサリンも製造していた疑いがあると報道された。
シクロサリン
分子式: | C7H14FO2P |
その他の名称: | CMPF、Methyl(fluoro)phosphinic acid cyclohexyl ester、GF【化学兵器】、GF【chemical warfare agent】、GF、シクロヘキシルメチルホスホノフルオリダート、Cyclohexyl methylphosphonofluoridate、Methylfluorophosphinic acid cyclohexyl ester、Cyclosarin、シクロサリン、Methylfluoridophosphonic acid cyclohexyl、Methylphosphonofluoridic acid cyclohexyl ester、Cyclohexylsarin、シクロヘキシルサリン |
体系名: | メチルフルオリドホスホン酸シクロヘキシル、メチル(フルオロ)ホスフィン酸シクロヘキシル、メチルフルオロホスフィン酸シクロヘキシル、メチルホスホノフルオリド酸シクロヘキシル |
シクロサリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/17 03:22 UTC 版)
シクロサリン | |
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別称 GF P-メチルフルオロホスホン酸シクロヘキシル | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 329-99-7 |
特性 | |
化学式 | CH3P(O)(F)OC6H11 |
モル質量 | 180.159 g/mol |
外観 | 無色澄明な液体 |
匂い | 甘くてカビ臭い匂い |
密度 | 1.1278 g/cm3 |
相対蒸気密度 | 6.2(空気 = 1) |
融点 | -30 °C |
沸点 | 239 °C |
蒸気圧 | 0.044 mmHg (20℃) |
危険性 | |
引火点 | 94 °C |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
シクロサリン (cyclosarin) とはサリンと同系統の有機リン系神経ガスである[1]。別名 GF[1]。サリンのイソプロピル基がシクロヘキシル基に変わっただけの構造だが、その物理的特徴はサリンと全く異なり、気化しにくいうえ引火しやすい。
1949年にドイツのゲルハルト・シュラーダー博士率いるチームが開発した。ドイツ (Germany) で開発されたことからアメリカでは G剤 と呼ばれた。ただし、前駆体のコストが高いため、大量生産されることはなかった。
常温でのシクロサリンは甘くてカビ臭いにおいがすると言われている。
外観は無色の液体である[1]。
脚注
シクロサリンと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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