ルイサイトとは? わかりやすく解説

ルイサイト【lewisite】

読み方:るいさいと

砒素(ひそ)を含む、糜爛(びらん)性毒ガス一種無色ないし淡黄色液体1918年ごろ米国化学者W=Lルイス発明化学式ClCH=CHAsCl2


ルイサイト

分子式C2H2AsCl3
その他の名称レウィサイト、レウィシット、クロロビニルアルシンジクロリド、Lewisite、2-Chlorovinyldichloroarsine、Chlorovinylarsine dichloride、Dichloro(2-chlorovinyl)arsine、ルイサイト、β-クロロビニルジクロロアルシン、β-Chlorovinyldichloroarsine、2-(Dichloroarsino)vinyl chloride、2-Chloroethenyldichloroarsine、Dichloro(2-chloroethenyl)arsine、Dichloro2-chloroethenylarsine
体系名:ジクロロ(2-クロロエテニル)アルシン、2-クロロエテニルジクロロアルシン、ジクロロ2-クロロエテニルアルシン、ジクロロ(2-クロロビニル)アルシン、2-クロロビニルジクロロアルシン、2-(ジクロロアルシノ)ビニルクロリド


ルイサイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 17:24 UTC 版)

ルイサイト[1]
識別情報
CAS登録番号 541-25-3
PubChem 5372798
MeSH lewisite
特性
化学式 C2H2AsCl3
モル質量 207.32 g/mol
密度 1.89 g/cm3
融点

–18 ℃

沸点

190 ℃

危険性
NFPA 704
1
4
1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ルイサイト (Lewisite) とは、アダムサイトなど同じく有機ヒ素化合物であり、化学兵器毒ガス)のびらん剤として用いられる[2]

ルイサイトは即効性があるため[2]、遅効性のマスタードガスと組み合わせてマスタード-ルイサイトとして使うことがある。 繊維ゴムを透過する性質があるため普通の防護服では防ぐことができない。

作用はヒ素化合物によく見られるピルビン酸デヒドロゲナーゼ系酵素の阻害による物である。

皮膚、気道に直接接触すると直ちに痛みと刺激を感じる、30分以内に皮膚発赤、12時間後に水疱が生じる[2]。 呼吸系に吸い込むと胸が焼け付くような痛みとくしゃみ、せき、嘔吐などを伴う。また、肺浮腫を引き起こして死ぬ場合もある。また、細血管透過性を亢進する作用があるため、血管内体液量減少、血液量減少、ショック、臓器鬱血が生じ、これにより消化器症状を伴った肝、腎壊死が起こる。 眼に触れると激しい痛みを感じ、直ちに洗浄しなければ視力を失う。

アメリカ人の化学者ウィンフォード・リー・ルイス(Winford Lee Lewis、1878年-1943年)にちなんで名付けられた。ルイスは1918年にこの化合物の合成法を説明するJulius Arthur Nieuwlandの論文を発掘した。そして、1920年代にアメリカ軍によって実験が行われた。

解毒剤としては、ジメルカプロール(BAL)が有効である。

毒性
  • LCt50:1,400mg・min/m3(吸入)
  • LCt50:100,000mg・min/m3(皮膚)
  • ICt50:1,500mg・min/m3以上(皮膚)

出典

関連項目

  • オペレーション・ゼラニウム英語版 - 1948 年にフロリダ沖の海に 3,000 トン以上のルイサイトを海洋投棄する作戦。名前はルイサイトがゼラニウムの花の匂いに似ていることから。

「ルイサイト」の例文・使い方・用例・文例

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