起源と初期の進化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 04:07 UTC 版)
細菌の祖先は、約40億年前に地球上に最初に出現した、単細胞生物であると考えられている。その後の約30億年の間、ほとんどの生物は微視的なサイズであり、細菌と古細菌が支配的な生命体であったと考えられる。ストロマトライトなどの細菌の化石が存在しているものの、独自の特徴的な形態などを持っていないため、細菌の進化史を調べたり、特定の細菌種の起源を特定したりするために使用することは困難である。一方で遺伝子配列を利用することで、細菌の系統学的な進化プロセスを推定することができ、研究から細菌が古細菌/真核生物の系統よりも初期に分岐したことが示されている。細菌と古細菌の最新の共通の祖先は、おそらく25-35億年前に生息していた超好熱菌の一種であると考えられている。32億年前の初期の陸上環境においても、最初に上陸を果たした生命体は細菌であった可能性がある。 細菌はまた、古細菌と真核生物という大きな進化の分岐にも関与していた。この分岐において、真核生物は、真核細胞の祖先(古細菌と近い関係にあると考えられている)に対して細菌が細胞内に侵入し、内部共生が成立した結果として生じたと考えられている。具体的には、Alphaproteobacterial細菌が始原的真核細胞と共生形態になり、現在の全ての真核生物が持つミトコンドリアやハイドロジェノソームとなった、というシナリオが有力な候補として考えられている。また他に、ミトコンドリアを既に保持している真核生物が、さらにシアノバクテリアを細胞内に取り込み、今日の藻類や植物が持つ葉緑体を形成したと考えられている。このことは、一次共生(primary endosymbiosis)として知られている。
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