細菌と古細菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 14:36 UTC 版)
ある種の細菌はアルカンを代謝する。炭素数が奇数のものよりも分解しやすいため、彼らは偶数個のものを好む。 一方古細菌の中にはメタン菌と呼ばれるものが存在し、二酸化炭素など酸化された状態にある有機化合物を代謝してメタンを作り出す。水素の酸化によってエネルギーを得ている。 CO 2 + 4 H 2 ⟶ CH 4 + 2 H 2 O {\displaystyle {\ce {CO2 + 4H2 -> CH4 + 2H2O}}} メタン菌は湿地で発生する「沼気ガス」の元でもあり、1年あたりおよそ2億トンのメタンを作り出している。大気成分中のメタンはほぼ全てがメタン菌による。メタン菌は草食する動物の体内にも存在する。特にウシなどの反芻動物は植物のセルロースなどを体内のメタン菌が分解して1日あたり150リットルのメタンをげっぷとして排出している。シロアリも摂食した木質を体内のメタン菌が分解してメタンを産生する。ヒトの腸で作られる最も単純なアルカンでもある。メタンを生産する古細菌は炭素循環の終端に位置し、大気中に放出されたあとは光合成によって再び固定される。こんにち存在する天然ガスも同様な経路で生成したと考えられている。メタンは大気中での温室効果が二酸化炭素よりも高い物質とされているが、アルカンの中では代謝される量も速度も大きく、また大きな発生源とされた家畜は人為的にも制御しやすいとされている。
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