2H2(重水素)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/08 08:54 UTC 版)
重水素の原子核 (2H) は1の核スピン角運動量を持つボーズ粒子である。よって、重水素分子 (2H2) にはオルト重水素 (I = 2, 0) とパラ重水素 (I = 1) の2つの核スピン異性体が存在する。 オルト重水素の核スピン波動関数 (Ψns) は置換に対して「対称」である。重水素原子核はボーズ粒子であるために置換に対して分子全体の波動関数は「対称」にならなければいけないから、オルト重水素は置換に対して「対称」である回転状態(回転量子数が偶数 J = 0, 2, 4,...)のみ存在する。 逆にパラ重水素は核スピン波動関数は置換に対して「反対称」であるので、置換に対して「反対称」である回転状態(回転量子数が奇数 J = 1, 3, 5,...)のみ存在する 常温ではオルト重水素とパラ重水素の比は2:1となる。パラ水素を得るのと同様の方法で高濃度のオルト重水素を得ることができる。
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