ミトコンドリア関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 07:21 UTC 版)
片頭痛を伴うミトコンドリア病 (ミトコンドリア脳筋症)の場合は、ナイアシン (ビタミンB3)、ビタミンB1、ビタミンB2、リポ酸や、コエンザイムQ10の補給が行われている。これらはミトコンドリア内のクエン酸回路および電子伝達系を回すために必要となる栄養素である。また、慢性片頭痛は、反復性片頭痛よりもビタミンB2 (リボフラビン)やコエンザイムQ10の欠乏が多いとする研究が存在するものの、これらのサプリメントが片頭痛を予防するかはまだ分かっていない。ビタミンB2はレバーに、コエンザイムQ10はハツに多く含まれている。 また、ミトコンドリア病の治療において、タウリンの補給も試みられている。ミトコンドリアでのタンパク質合成にはタウリンが必要となるものの、ミトコンドリア病の一種であるMELASおよびMERRFの患者ではタウリンと転移RNA (tRNA) の結合減少が指摘されており、その解明が進んでいる。なお、片頭痛患者は、片頭痛に伴い血漿および脳脊髄液にタウリンが放出されるとする研究があるものの、原因は不明。 また、筑波大学の研究によれば、アミノ酸のグリシンは、老化による後天性ミトコンドリア呼吸欠損を回復するとしているものの、グリシンが頭痛に効くかは不明。片頭痛患者は、脳脊髄液のグリシン量が健常者よりも多いとされる。 レスベラトロールはミトコンドリア機能を改善するとされるが、頭痛に効くかは不明。逆に、レスベラトロールの副作用によって頭痛が起こる場合もある。ミトコンドリアは褐色脂肪細胞に多く含まれているが、マウス実験において褐色脂肪細胞はSIRT1の活性化により増えるとされており、レスベラトロールはそのSIRT1を直接活性化するとみられていたが、後にその直接的な活性化は間違いであり、蛍光分子の導入により起きていたことが判明した。レスベラトロールはイタドリに多く含まれている。
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