政治面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 04:59 UTC 版)
特に政治において、マスメディアは大きな役割を持っている。政治におけるマスメディアの役割としては、自らの意思によって政治的な事実を報道・解説することによって、一般市民に政治的判断の基準を提供することがあげられる。この機能によって、18世紀末ごろには世論が明確に形成されるようになり、19世紀のヨーロッパにおける新聞をはじめとするマスメディアの発達は、ナショナリズムの成長や大衆の国民化へとつながり、国民の政治意識の向上と民主主義の発達をもたらした。こうした政治的機能の巨大さから、マスメディアは立法・司法・行政と並ぶ「第四の権力」と評されることも多い。 また、マスメディアの政治に対する影響は、それが政府や権力側を利するものであるという批判と、逆に少数派の意見をくみ取ることができるとする擁護論の双方が存在する。権力を監視し批判することこそマスメディアの使命であるとする考え(ウォッチドッグ機能)も存在するが、権力批判を至上命題とした場合ともすれば権力に従わない犯罪者をも擁護することになりかねず、善悪の転倒が起きる場合がある。政治家がマスメディアに向けて単純だがわかりやすいパフォーマンスを行い、選挙民がそれに強く影響される、いわゆるポピュリズムの問題も指摘されている。 民主国家のみならず独裁制においてもマスメディアは大きな役割を持ち、こうした独裁国家では政府に指導・統制されたマスメディアは情報操作により世論を政府寄りに保ち続ける社会統制のあからさまな道具となっている。なかでもファシズムにおいてはマスメディアは非常に重要な役割を持ち、ナチス・ドイツなどではマスメディア、特にラジオでのプロパガンダを通じて世論を操作した。ただし常にマスメディアが独裁国家に有利な役割を果たすとは限らず、逆に1970年代以降、発達したマスメディアから他国の政治情勢を入手することで国民の自国の政治体制に対する不満が高まり、連鎖的に民主化が起こることにもなった。
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