骨は強固な体をつくりあげるとともに、内臓を保護する役割があります。血液を作り出す骨髄組織も存在し、体内のカルシウムの貯蔵庫としての役割もあります。
骨は絶えず吸収(破骨細胞が骨を溶かす)と形成(骨芽細胞が新しい骨を作る)を繰り返し、約10年をかけてすべて入れ替わるといわれています。この生まれ変わりは、特に骨の再構築(リモデリング)といわれます。骨の吸収が骨の形成を上回ると、骨は次第に弱くなります。
骨の強さやつまり具合は骨密度によって評価されます。骨密度は、骨の単位面積(cm2)当たりの骨塩量(g)で算出され、骨粗鬆症の診断基準としても利用されています。2重X線吸収法(Dual-energy X-ray absorptiometry: DXA法)によって測定される骨密度が世界中で標準的に用いられています。骨密度は、男女とも加齢によって減少することが確認されており、その減少率は男性よりも女性のほうが大きいといわれています。特に女性の場合は、30歳ごろにピークを迎えて骨密度が最大となり、以後は骨密度が徐々に減少し、閉経を迎える50歳ごろから骨密度の減少は加速します。
こつ‐みつど【骨密度】
骨密度
骨密度
【英】:Bone Mineral Density
骨密度
【概要】 骨は人間という建築物の構造物。コラーゲンという繊維状のタンパク質の網に、カルシウム(Ca)やリンなどの無機質成分が沈着した構造で、鉄筋とセメントの関係に似ている。骨は生きている。つまり骨の周りにいる骨芽細胞が骨を作り、破骨細胞が骨を溶かすという日々のバランスになっている。骨の強さは骨の硬さ、骨の弾性、骨組みの構造で決まるが、ことに骨の固さが折れやすさに関係する。骨の硬さは腰椎の骨塩量の多さで示され、デキサ法による測定が行われている。
【詳しく】 従来から副腎皮質ホルモン、性腺ホルモン、抗痙攣剤、ヘパリンなどの薬物が影響することがわかっている。HIV感染症の領域ではプロテアーゼ阻害剤が骨粗鬆症を誘発するとの報告がある。詳細な病態はあきらかでないが、画像診断とともに血液・生化学検査など骨代謝のマーカーを観察する必要があるのかもしれない。
《参照》 デキサ法

骨密度
骨密度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 22:05 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動骨密度(こつみつど、Bone Density)とは、単位面積あたりの骨量のこと。BMD(Bone Mineral Density)と表記される場合もある。骨密度の単位はg/cm2。若年成人平均値(YAM)を基準とした割合値(%)を指標として示されることもある。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが、骨にどれくらい含まれているかの指標となる。一般に20代でピークとなり、その後は徐々に減少する。女性の場合は更年期(閉経)をむかえるとエストロゲンなど骨を維持する女性ホルモンの低下によって男性よりも急速に減少することが知られている[1]。また、男性の場合、前立腺癌で内分泌療法を行なった場合に骨密度の減少が見られるという[2]。
なお、ベジタリアンは一般人より骨密度が低いという調査報告もある[3]。
脚注
- ^ 医学用語辞典・骨密度
- ^ 前立腺癌内分泌療法による骨密度低下は大腿骨頸部が最大【泌尿器科学会2009】、日経メディカル・オンライン、2009年4月21日
- ^ ベジタリアンの骨は肉食者よりも弱い、オーストラリア調査、AFPBB News、2009年07月3日
関連項目
外部リンク
「骨密度」の例文・使い方・用例・文例
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