モナザイトとは? わかりやすく解説

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モナザイト【monazite】

読み方:もなざいと

セリウム・ランタン・イットリウム・トリウムなどを含む燐酸塩(りんさんえん)鉱物柱状結晶または塊状単斜晶系。色は黄褐・赤褐色などで半透明花崗岩(かこうがん)・片麻岩(へんまがん)や砂鉱床から産出希土類元素重要な原料硬度5〜5.5。モナズ石


モナズ石

(モナザイト から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/11 14:22 UTC 版)

モナズ石
モナズ石
分類 リン酸塩鉱物
化学式 CePO4
結晶系 単斜晶系
へき開 一方向に良好
モース硬度 5
光沢 ガラス光沢~脂肪光沢
黄色~赤褐色、白色
条痕 白色~淡褐色
比重 5.1
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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モナズ石(モナズせき、Monazite-(Ce)、モナザイト)は、鉱物リン酸塩鉱物)の一種。ペグマタイト花崗岩片麻岩砂岩などに含まれる。通常、小さな孤立した結晶として発生する。モナズ石はしばしば砂鉱床で見つかる。インドの鉱床は特にモナズ石に富む。

ふつうのモナズ石は、希土類元素のうちセリウムを最も多く含むので、英名は Monazite-(Ce)、化学組成は CePO4 と表す。ネオジムを最も多く含むとネオジムモナズ石(Monazite-(Nd)、(Nd,La,Ce)PO4)となる。

実際にはモナズ石は、元素組成によって少なくとも5種類が存在する。

  • (セリウム)モナズ石(Monazite-(Ce)) : (Ce,La,Nd,Th)PO4
  • ガドリニウムモナズ石(Monazite-(Gd)、2022年承認)[1] : GdPO4
  • ランタンモナズ石(Monazite-(La)) : (La,Ce,Nd)PO4
  • ネオジムモナズ石(Monazite-(Nd)) :(Nd,La,Ce)PO4
  • サマリウムモナズ石(Monazite-(Sm)、2001年承認)[2] : Sm(PO4)

括弧内の元素は鉱物内の相対的含有率の順に並んでいる。ランタンはランタンモナズ石の中では最も量が多い希土類元素である。モナズ石に含まれる希土類元素はイオン半径が小さいが、イオン半径が大きいイットリウム及びイッテルビウムのリン酸塩はゼノタイム英語版となる。現在では、リンの他にヒ素ケイ素を主成分としたモナズ石スーパーグループ[3]のモナズ石グループに位置付けられる。

トリウムウランを含むことが多く、弱い放射能を持つ。トリウム鉱石としても利用される。トリウムとウランのアルファ崩壊のために、モナザイトはかなりの量のヘリウムを含んでおり、加熱するとヘリウムを抽出することができる。

モナザイトの語源は、ギリシア語μονάζειν (孤立する)であり、結晶が孤立して存在するところから来ている。

モナズ石スーパーグループ

  • ケララ石(Cheralite, 旧称:Brabantite) : CaTh(PO4)2(2007年再定義、改称)
    • Cheralite-(Ce) : (Ce,Ca,Th)(P,Si)O4(今日ではカルシウムに富むセリウムモナズ石とされる)
  • ハットン石(Huttonite) : ThSiO4
  • ルーズベルト石(Rooseveltite) : BiAsO4
  • セリウムガスパリ石(Gasparite-(Ce)) : (Ce,La,Nd)AsO4
  • ランタンガスパリ石(Gasparite-(La)) : LaAsO4

モナズ石グループ

  • モナズ石(Monazite-(Ce)) : CePO4
  • ガドリニウムモナズ石(Monazite-(Gd)) : GdPO4
  • ネオジムモナズ石(Monazite-(Nd)) : (Nd,La,Ce)PO4
  • ランタンモナズ石(Monazite-(La)) : (La,Ce,Nd)PO4
  • サマリウムモナズ石(Monazite-(Sm)) : SmPO4

参考文献

関連項目

脚注

  1. ^ Monazite-(Gd), mindat.org
  2. ^ Monazite-(Sm), mindat.org
  3. ^ Monazite Supergroup, mindat.org

外部リンク


モナザイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 14:30 UTC 版)

ケーララ州」の記事における「モナザイト」の解説

ケーララ州には先カンブリア時代岩石広く分布し岩石含まれるモナザイトを産出する海岸250 km長さに及ぶ。これがインド世界一のモナザイト産出国にし、モナザイトを含む黒い砂浜 と共に世界有数自然放射線量の地域としても知られている。ケーララ州海岸線付近における1人1年間あたりの被照射線量平均3.8 mSv、高い地域では20 mSv以上に達する。家系遺伝調査結果によれば、高線量地域では統計的に有意生殖細胞由来点突然変異が高い傾向にある。 マラップラム県のKodinhiでは、双子が多いことでも知られており、Krishnan Sribiju医師によれば原因不明だが、60年70年前からみられる傾向だという。この現象はKodinhi限ったことではなくブラジルのCândido GodóiやナイジェリアのIgbo-Oraなどでも双子の高発生率観測されており、Sribiju医師ブラジルナイジェリア医師コンタクトをとるなど原因解明向けて活動行っており、遺伝学者などからなる調査団はさらに詳細な調査が行われる必要があるとしている。

※この「モナザイト」の解説は、「ケーララ州」の解説の一部です。
「モナザイト」を含む「ケーララ州」の記事については、「ケーララ州」の概要を参照ください。

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