発生・製造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 06:10 UTC 版)
ルテチウムは他の全てのすべての希土類金属で見つかるがルテチウムだけでは見つからず、他の元素から分離することは非常に難しい。主な商業的供給源は希土類のリン酸塩鉱物であるモナザイト(Ce,La,...)PO4を処理したときの副産物であるがその濃度はたった0.0001%であるが、地殻中のルテチウムの存在量である約0.5 mg/kgとあまり変わらない。ルテチウムを主成分とする鉱物は現在のところ知られていない。主な採掘地域は中国、米国、ブラジル、インド、スリランカ、オーストラリアである。世界のルテチウムの生産量(酸化物で)は年間約10トンである。純粋なルテチウム金属は調製が非常に難しい。希土類元素の中で最も希少で最も高価な金属の1つであり、価格は1キログラムあたり10,000アメリカドルで、金の約4分の1である。 粉砕された鉱物は高温の濃硫酸で処理され、希土類の水溶性硫酸塩を生成する。トリウムは水酸化物として溶液から沈殿し取り除かれる。その後溶液はシュウ酸アンモニウムで処理され希土類は不溶性のシュウ酸塩に変換される。シュウ酸塩はアニーリングにより酸化物に変換される。酸化物は硝酸に溶かされて主要な成分であるセリウム(酸化物が硝酸に不溶)を取り除く。ルテシウム含むいくつかの希土類金属は結晶化により硝酸アンモニウムとの複塩として分離される。この過程では希土類イオンは樹脂に存在する水素、アンモニウム、または同イオンと交換することで適切なイオン交換樹脂に吸着される。ルテチウム塩は適切な錯化剤により選択的に洗い流される。次にルテチウム金属はアルカリ金属またはアルカリ土類金属のいずれかによる無水LuCl3またはLuF3の還元により得られる。 2 LuCl3 + 3 Ca → 2 Lu + 3 CaCl2
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