人工元素とは? わかりやすく解説

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じんこう‐げんそ【人工元素】


人工元素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/22 15:27 UTC 版)

人工元素(じんこうげんそ)は、人工的に合成された元素同位体)の総称である。人工放射性元素[1][2]とも呼ばれる。

天然には存在しない4つの元素(テクネチウムプロメチウムアスタチンフランシウム)と、超ウラン元素はほぼすべて人工元素である。これらは半減期の短い放射性元素であるため、自然界には極めて僅かしか存在が確認されない。通常は、原子核に高いエネルギーを持たせた荷電粒子や、γ線中性子などをぶつけて合成する。

人工の放射性同位体としては1934年フレデリック・ジョリオ=キュリーイレーヌ・ジョリオ=キュリーの夫妻が放射性リン (30P) を得たのが最初で、元素としては1937年に得られたテクネチウムが最初である。

現在では、元素番号93以降(NpPuAmCmBkCfMdNoLrRfDbSgBhHsMtDsRgCnNhFlMcLvTsOg)の24個のみ発見されている[3]

人工元素の一覧

ネプツニウム
ウラン238中性子を当てて合成。
プルトニウム
ウラン重水素を当てて合成。
アメリシウム
プルトニウム239に2個の中性子を当てて合成。
キュリウム
プルトニウム239に32×106eVα粒子をぶつけることにより合成。
バークリウム
アメリシウム241にアルファ粒子を当てて合成。
カリホルニウム
キュリウム242にサイクロトロンで35×106eVに加速したα粒子をぶつけて合成。
メンデレビウム
サイクロトロンで10億個(109個)のアインスタイニウム253Es)のターゲットにアルファ粒子(ヘリウム原子核)を衝突させることで合成。
ノーベリウム
キュリウム244炭素13を当てて合成。
ニホニウム
70Zn(亜鉛)を209Bi(ビスマス)に衝突させることで合成。
テネシン
カルシウム原子核をバークリウム原子核に衝突させることで合成。
オガネソン
カリホルニウム249原子とカルシウム48イオンの衝突により合成。

脚注

  1. ^ 仁科芳雄「宇宙線並に元素の人工變換について」『精密機械』第5巻第59号、1938年、421-434頁、doi:10.2493/jjspe1933.5.421 
  2. ^ 森田修二「土壤肥料學に於ける人工放射性元素の應用」『物理化學の進歩』第18巻第3/4号、1944年、65-78頁。 
  3. ^ げんそキッズ

関連項目




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