超重元素とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 超重元素の意味・解説 

ちょう‐じゅうげんそ〔テウヂユウゲンソ〕【超重元素】


超ウラン元素

(超重元素 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 09:22 UTC 版)

原子核物理学または化学において、超ウラン元素(ちょうウランげんそ、: TRans-Uranium, TRU)とは、原子番号92のウランよりも重い元素を指す。

概要

原子番号が1〜92の元素は、6つの元素(43-テクネチウム、61-プロメチウム、85-アスタチン、87-フランシウム、89-アクチニウム、91-プロトアクチニウム)を除いて、自然界には比較的豊富に存在する。

しかし、原子番号93以降の元素(超ウラン元素)は、基本的に全て人工的に作り出さねばならない。また全て放射性で、半減期は地球の年齢よりかなり短い。よって、これらの元素が地球誕生の頃に存在していたとしても、はるか以前に消滅してしまっている。

現在地球上で発見される超ウラン元素は、基本的に原子炉粒子加速器で人工的に作られたものである。但し、極微量の239Np239Puは自然に生成され続けている。具体的には、ウラン鉱石が自発核分裂による中性子を捕獲した後、更に二段階のベータ崩壊を起こし、239Puとなる(238U > 239U > 239Np > 239Pu)。

発見されていない超ウラン元素や、発見されていてもまだ公式に名前がつけられていない元素には、IUPACの定めた元素の系統名を用いる。超ウラン元素の命名は、冷戦時には議論の原因となっていた。

発見したグループ

2016年現在、超ウラン元素の発見が認められた国はアメリカロシア(旧ソビエト連邦)、ドイツ日本の4カ国だけである(スウェーデンは後述の通り認められていない)。

冷戦期

カリフォルニア大学バークレー校

現在のローレンス・バークレー国立研究所、アメリカ合衆国

重イオン研究所(GSI、ドイツ)

ノーベル物理学研究所(スウェーデン)

このグループは冷戦期に新元素発見の報告をしたが、現在では当初の報告の正当性が疑われている。

  • 102-ノーベリウム(No)の発見を主張した。発見は否定されたが、「ノーベリウム」という名称は最終的に認められた。

ドブナ原子核共同研究所(ソビエト連邦)

このグループは冷戦期に新元素発見の報告をしたが、現在では当初の報告の正当性が疑われている。

冷戦後

ローレンス・バークレー国立研究所(アメリカ合衆国)

重イオン研究所(GSI、ドイツ)

ドブナ原子核共同研究所(ロシア)

理化学研究所(理研、日本)

超ウラン元素の一覧

これらはネプツニウム、プルトニウムを除き自然界には存在しない。

(第8周期以降の未発見元素は拡張周期表を参照)

脚注

  1. ^ News: Start of the Name Approval Process for the Elements of Atomic Number 114 and 11” (英語). IUPAC. 2011年12月4日閲覧。
  2. ^ News: Start of the Name Approval Process for the Elements of Atomic Number 114 and 116” (英語). IUPAC. 2011年12月4日閲覧。
  3. ^ Yu. Ts. Oganessian et al. Phys. Rev. C 2006, 74, 044602. DOI: 10.1103/PhysRevC.74.044602

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「超重元素」の関連用語

超重元素のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



超重元素のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
内閣府原子力委員会内閣府原子力委員会
Copyright (C) 2025 Atomic Energy Commission of Japan. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの超ウラン元素 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS