じんこう‐ないじ【人工内耳】
人工内耳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/18 20:31 UTC 版)
人工内耳(じんこうないじ、英:Cochlear implant)は、聴覚障害者の内耳の蝸牛に電極を接触させ、聴覚を補助する器具である。
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- ^ 障害者本人が、自身に障害があることを認めることを障害認識、自らの障害を受け容れるようになることを障害受容と呼ぶ。
- ^ 人工内耳の手術を行うまでは自身が聴覚障害者であることを受け容れられず、他の聴覚障害者との交流も頑なに阻んでいた人物が、人工内耳装用によってQOLの大幅な改善を見た結果、かつての自分がろう者に極めて近い存在であったことを無意識のうちに認めるようになり、また同障者との交流も行うようになった(黒田生子 2008, p. 98)
- ^ 黒田生子 2008, p. 146-151.
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- ^ 黒田生子 2008, p. 142-145.
- 1 人工内耳とは
- 2 人工内耳の概要
- 3 構成
- 4 人工内耳の利用状況
- 5 脚注・出典
人工内耳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 00:24 UTC 版)
聴神経に音が伝わらない場合、内耳の中に電極を挿入して、補聴システムでとらえた音声信号を電気信号に変えて、その電極から聴覚神経へ直接伝える人工内耳が普及してきた。電極の数に制限があり、一方残存聴覚神経にも個体差があるため、電子回路で患者一人一人に合わせた信号補正を行っている。人工内耳の手術後も言語聞き取りのために訓練期間が必要になってくる。同様な人工聴覚器として人工中耳や聴性脳幹インプラント、埋込型骨導補聴器が登場している。
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人工内耳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 19:57 UTC 版)
近年、特に欧米の先進国では障害者の権利の向上により(理論上は)ろう者であること、つまり口話能力の欠如が社会で活躍する上での制限ではなくなったが、最近の医学の進歩、特に人工内耳の開発により難聴の治療が進み、これがろう社会、ひいてはろう文化に大きな影響を与えている。 人工内耳はあくまで補聴器のようなもので、現時点の性能では聴力を完全に取り戻すものではない。多くの場合、人工内耳により言葉の弁別は可能になるが、聞こえる音は自然なものではなく、成人後に聴覚を損失した難聴者であれば人工内耳から聞こえる音にすぐ慣れるが、生まれつきろうの子供が人工内耳をつける場合は口話能力の習得、とくに全く自然な会話能力の習得には訓練と努力が必要で、この場合は口話教育の優先が必要であると主張される。しかし人工内耳の効果には個人差もあり、まれに人工内耳に全く適応できない場合もある。 この問題の重大さを顕著に表すものとして、近年ではろう者の意識改革の先駆けとなった「デフ・プレジデント・ナウ」運動でギャローデット大学の学長に就任したキング博士の後継者の選出に関する抗議騒動が挙げられる。 同大学では長い選考過程の後、2007年1月就任予定の次の学長にジェーン・K・フェルナンデス博士が選出されたが、これに反対する学生と一部の教員、さらに大学の卒業生がフェルナンデスの就任前から辞任を要求する騒ぎになり、これが以前の「デフ・プレジデント・ナウ」運動と対比される形でマスコミに報道された。ギャローデット大学では現在、入学資格として英語と手話(ASL)の能力が必須であるが、フェルナンデスは統合教育の出身者にも大学の門を開くべきだとして、手話を入学資格の条件から外すべきだと主張した。フェルナンデスは統合教育出身のろう者であり、手話も成人後に習得したため、ろう学校出身者と比べて手話は流暢ではない。一部では辞任要求は「文化的ろう者による統合教育出身者に対する差別である」との声も上がっている。 フェルナンデスはコメントで「補聴器、人工内耳はますます性能が上がっている。遺伝子学の進歩はろうの子供を産まない選択をするという考えにも繋がってきている」「ギャローデット大学は、あらゆるろう者(all kinds of deaf people)を包合(embrace)しなければならない」と述べている。 2006年、フェルナンデスの学長就任は抗議運動により覆され、再度の選考でロバート・R・ダビラが暫定学長に任命された。
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