人工処理とは? わかりやすく解説

人工処理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 01:00 UTC 版)

トルコ石」の記事における「人工処理」の解説

トルコ石は、色の良さ耐久性上げる(すなわち、硬度増やし空隙率下げる)ことを狙って人工処理される。歴史上最初に古代から)行われた人工処理は、軽くワックスと油を塗ることだった。これにより、濡れ効果(色とつやを増すため)を与えたのである。この処理は、多かれ少なかれ伝統として受け入れられている。通常高いグレード素材に対して行われたためでもある。それに対し後世の、人工処理しなければ売り物ならないようなアメリカ産のもろい素材に対してエポキシプラスチック例えポリスチレン)、および水ガラス高圧注入する手法(これによって耐久性を増すばかりでなく濡れ効果与え意味合いもある)は、あまりにも急進的な合成であるとして一部からは拒絶された。 プラスチック水ガラスは、耐久性を増すという点では、技術的には油やワックスよりも勝っている。はるかに永久的で、安定で、かつ油やワックス十分に効き目発揮するにはもろ過ぎるような素材に対して適用できるためである。こうした素材は「結合された」または「安定化された」トルコ石呼ばれるエポキシ結合技術は、1950年代に、アリゾナのColbaugh処理施設今日でも稼動している)で初め開発された。アメリカ産の素材大部分は、現在この方法で処理されている。 油やワックス塗った石は、あまり高くない高温、または日光晒され過ぎると、油脂分が溶けて液体になることが避けられないまた、時間が経つと表面に白い膜や粉が生じことがあるいくらか技量があれば油、ワックス処理は再生できる)。染料は、トルコ石網目黒っぽくするためにも用いられる。 最も急進的な人工処理は「再構築」だろう。これは、おそらく単独では小さすぎて使えない細かい素材粉末化し結合して一個大きな形にするのであるこうした再構築」された素材原料のほとんどは、(天然物質をまったく含まない)完全な偽造、または、異質な充填剤加えられていることがある上記模造品の項を参照)。 また別の人工処理のひとつとして、(詳細公開されていないが)いわゆるザッカリー法がある。開発者であり電気技師トルコ石貿易家でもあるジェームス・E・ザッカリーの名にちなん名づけられた。この工程は、少なくとも中程度グレード素材だけを使ってトルコ石をより堅くよりよい色とつやを与えるのだと主張している。 宝石よくあるのと同様に、完全に開示されていないことが頻繁にある。したがって疑わしい石について人工処理を検知することはさまざまな検査方法用いる、宝石学者に頼ることになる(その一部破壊検査である。例え目立たないしみに加熱プローブを使うことで油、ワックスか、またはプラスチック処理を確信持って検知することができる)。

※この「人工処理」の解説は、「トルコ石」の解説の一部です。
「人工処理」を含む「トルコ石」の記事については、「トルコ石」の概要を参照ください。

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