ねつこうか‐せい〔ネツカウクワ‐〕【熱硬化性】
熱硬化性
ポリマーに熱を加えると硬化するものがあり、その性質を熱硬化性という。ポリマーを加熱すると、官能基が反応することで重合度が進展し、3次元の網状構造が形成される。いったん硬化すると溶剤にも溶けにくく、加熱しても可塑性が現れない性質をもち、熱可塑性樹脂よりも耐熱性や耐薬品性が一般的に優れている。アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂は、この性質を利用したものである。シリンダーブロックなどの鋳造に使用されるシェル型は、レジンでコーティングされた砂を使用するが、これはフェノール樹脂の熱硬化性を適用したものである。自動車ボディの外面上塗り準装には、熱硬化型アミノアルキド樹脂や熱硬化型アクリル樹脂が多く用いられている。
熱硬化性
熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂(ねつこうかせいじゅし、英: Thermosetting resin)は加熱により重合する高分子。
概要
熱硬化性樹脂 (Thermosetting resin) は、加熱すると重合を起こして高分子網目構造を形成し、硬化して元に戻らなくなる樹脂のこと。 使用に際しては、流動性を有するレベルの比較的低分子の樹脂に硬化剤の添加を行いを所定の形状に整形し、その後加熱・時間経過等により反応させて硬化させる。
熱可塑性樹脂よりも耐熱性が高く、化学結合が強固なためリサイクルは困難で、燃焼(サーマルリサイクル)、化学薬品や超臨界水によりモノマーまで分解するケミカルリサイクルの研究が行われている[1]。
熱硬化性樹脂の例
- フェノール樹脂 (PF)
- エポキシ樹脂(EP)
- メラミン樹脂(MF)
- 尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)
- 不飽和ポリエステル樹脂 (UP)
- アルキド樹脂
- シリコーン樹脂
- ポリウレタン(PUR)
- 熱硬化性ポリイミド(PI)
他
出典
- ^ 熱硬化性樹脂のリサイクルへの挑戦、合成樹脂工業協会
参考文献
- 高分子学会. "熱硬化性樹脂とその加工." 高分子工学講座 8 (1964): 319.
- 榊原純哉、「先端技術分野における熱硬化性樹脂」 『熱硬化性樹脂』 1986年 7巻 4号 p.208-220, doi:10.11364/networkpolymer1980.7.208, 合成樹脂工業協会
- 石井敬一郎、榎尚史、柴原澄夫. "熱硬化性樹脂, 9." (1988): 67.
- 山田正栄、「高強度フェノール樹脂成形材料」 『熱硬化性樹脂』 1992年 13巻 3号 p.178-192, doi:10.11364/networkpolymer1980.13.178, 合成樹脂工業協会
外部リンク
熱硬化性
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