亜寒帯低圧帯とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 気象 > 気象 > 低圧帯 > 亜寒帯低圧帯の意味・解説 

あかんたい‐ていあつたい【亜寒帯低圧帯】


亜寒帯低圧帯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 08:59 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
中央よりやや上が北半球の亜寒帯低圧帯。低気圧が次々通過し、雨と晴れが交互に訪れる。

亜寒帯低圧帯(あかんたいていあつたい)とは、北緯60度・南緯60度付近に形成される、周囲より気圧が低くなっている帯状の地域のことである。高緯度低圧帯(こういどていあつたい)ともいう。

概要

ハドレー循環によって緯度20度~30度付近に形成される亜熱帯高気圧は暖かい空気(熱帯気団)、極循環によって両極付近に形成される極高気圧は冷たい空気(北極気団)をそれぞれ持っており、緯度60度付近の地域には、フェレル循環によってそれぞれの高気圧から性質の異なった空気が吹き出される。この空気が衝突する地域では、温度差によって低気圧が発生しやすく、低圧帯となる。

この地域には、極付近の寒冷な空気と温暖な空気との境目にできる極前線、それに次いで冷たい空気と温暖な空気との境目にできる寒帯前線、温暖で湿った空気と温暖で乾いた空気との境目にできる亜熱帯前線などが低気圧とともに現れ、地域によっては大雪、大雨、長雨などのさまざまな気象をもたらす。山脈にさえぎられて湿潤な空気が届かないモンゴル中央アジアなどを除けば、亜寒帯高圧帯の地域は全体的に冷涼湿潤な気候である。タイガが広がるシベリアカナダなどがその典型的な例である。

北東アジア~アリューシャン列島南方にかけてのアリューシャン低気圧、アイスランド付近のアイスランド低気圧は「低気圧の墓場」と呼ばれ、冬季は低気圧の常襲地域となり荒れた天候が続く。また、南極海でも緯度が高くなるほど海が荒れ、吠える40度狂う50度絶叫する60度などと呼ばれている。

亜寒帯低圧帯となる地域を見ると、偏西風と北大西洋海流の影響で、ヨーロッパの広い範囲で西岸海洋性気候となる。また、東ヨーロッパから西シベリア北海道カムチャツカ半島カナダアメリカ北部にかけて亜寒帯湿潤気候となる。季節風の影響で、シベリア東部は亜寒帯冬季少雨気候、日本の太平洋側華中では夏に降水が多い温暖湿潤気候、日本の日本海側では冬の降水が多い温暖湿潤気候となる。

もっとも、1年中常に低圧部になっているというわけではなく、年間平均で見ると現れてくる低圧部である。

関連項目




亜寒帯低圧帯と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「亜寒帯低圧帯」の関連用語

1
高緯度低圧帯 デジタル大辞泉
100% |||||

2
アリューシャン低気圧 デジタル大辞泉
100% |||||

3
極高圧帯 デジタル大辞泉
100% |||||

4
アイスランド低気圧 デジタル大辞泉
100% |||||

5
極循環 デジタル大辞泉
94% |||||


7
フェレル循環 デジタル大辞泉
76% |||||




亜寒帯低圧帯のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



亜寒帯低圧帯のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの亜寒帯低圧帯 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS