ギアナ‐うちゅうセンター〔‐ウチウ‐〕【ギアナ宇宙センター】
ギアナ宇宙センター
名称:ギアナ宇宙センター/Guyana Space Center (GSC)
小分類:打ち上げ射場
国名:フランス
所在地:フランス領ギアナ北部クールー
設立年月日:1967年
フランスは1965年11月、アルジェリア南部、サハラ砂漠にあるアマギール射場でディアマン・ロケットを発射、A1衛星の軌道投入に成功しました。しかし、1967年にアルジェリアとの協定が期限切れとなったため、その代替射場として北緯5度14分と低緯度で、地球の自転を利用しやすい北東側に海面の開けているクールーが選ばれました。建設は1964年から始まり、1968年4月に初めてベロニーク探査ロケットの打ち上げがおこなわれています。続いてディアマンおよび欧州ロケット開発機構(ELDO)の、ヨーロッパ・ロケットによる衛星打ち上げもおこなわれましたが、1970年代中盤にはいったん休眠状態にはいりました。クールーに再び活気が戻ってくるのは、ESA(欧州宇宙機関)がアリアンロケットの打ち上げを開始した1977年からで、1999年12月現在までにおこなわれた125回のアリアン1、アリアン2、アリアン3、アリアン4、アリアン5打ち上げは、すべてギアナ宇宙センターからおこなわれました(成功率約94%)。
1.どのような組織になっているの?
CNESが管轄する施設ですが、協定によってESAならびにCNES傘下のアリアン・スペース社が使用しています。
2.地図上ではどの辺にあるの?
フランス領ギアナは南米大陸の北東部、アマゾン川河口の北側に位置しています。その大西洋に突き出た部分にある町がクールーで、ギアナ宇宙センターは町の北西に位置しています。アリアン用の発射台は3基あり、組立てエリアに最も近い南西側からELA-2、ELA-1、ELA-3の順で北東へ向けて並んでいます。
3.これまでに打ち上げたロケット、人工衛星は?
ロケットは、ディアマン、ヨーロッパ、アリアン1、アリアン2、アリアン3、アリアン4、アリアン5があります。
人工衛星は、ディアル、シンフォニー、SPOT、ECS、ERS、ISO、ジオット、クラスター、スカイネットなどがあります。また各国の民間通信衛星も打ち上げています。
ギアナ宇宙センター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/13 18:17 UTC 版)
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ギアナ宇宙センター | |
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![]() ギアナ宇宙センターの入り口の看板 | |
組織の概要 | |
設立年月日 | 1964年4月14日 |
管轄 | フランス第五共和政 |
本部所在地 | ![]() |
人員 | 直接 1,525 (2011) 間接 7,500 (2011) |
行政官 |
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上位組織 | 欧州宇宙機関/フランス国立宇宙研究センター |
ウェブサイト | www |
地図 | |
![]() ギアナ宇宙センターの地図 |
ギアナ宇宙センター(ギアナうちゅうセンター、フランス語: Centre Spatial Guyanais, CSG, 英語: Guiana Space Centre)は、フランス領ギアナのクールーにあるフランス国立宇宙センターのロケット発射基地。
概要
主に欧州宇宙機関やアリアンスペースなどが利用している。基地は赤道の北に約500km、北緯5度3分と低緯度にあり、静止軌道に載せる静止衛星の打ち上げには適した位置にある。
1960年代初頭、フランスはフランス領アルジェリアのアマギールで、ロケットの発射試験を行っていたが、アルジェリアの独立に伴い、そこでの試験を中止した。1964年にクールーをロケット発射基地として選定した。基地は1968年から稼動し、最初の打ち上げは4月9日のことである。欧州宇宙機関は1975年の設立時より、ここを使用している。
基地の設備としては、ロケット発射基地として完備しており、人工衛星組み立て棟や固体燃料工場もある。1968年より複数の打ち上げ施設が建設されている。例えば、アリアン1ロケットのELA-1は1975年から建設が開始され、1979年に初打ち上げを行っている。ELA-1は1989年まで使用され、その後、解体された。アリアン4用の打ち上げ施設であるELA-2は、1986年から2003年まで使用され、2011年9月に爆破解体された[1][リンク切れ]。
2012年初め時点の打ち上げ施設としては1996年使用開始のアリアン5用のELA-3の他、ヴェガロケット用の打ち上げ施設(ELV、ELA-1を再度建設:2012年初めから使用開始)と、ソユーズロケットの打ち上げ施設(ELS:2011年末から使用開始)が新たに建設された。
2011年10月21日にソユーズロケットでガリレオ測位衛星が打ち上げられた[2]。
打ち上げの番号は長らくアリアンロケットのみの打ち上げだったのでV-XXのようにV-の後に連番が表記されたが、複数のロケットを打ち上げるようになり、2011年4月以降はアリアンの打ち上げではVA-XX、ソユーズの打ち上げではVS-XX、ヴェガの打ち上げではVV-XXになった[2]。
2017年4月4日から5日にかけて、2017年仏領ギアナ騒乱にともなう一連の抗議活動により、同センターは労働組合と現地住民によって占拠された[3]。
参考資料
- ^ “Le portique mobile des Ariane 4 démantelé”. CNES 2012年1月21日閲覧。
- ^ a b Christian Lardier; Stefan Barensky (2013年3月). The Soyuz Launch Vehicle: The Two Lives of an Engineering Triumph. Springer Science & Business Media. pp. xiii-xv
- ^ “France clears Guiana aid package as protesters end space centre occupation”. France 24. (2017年4月6日) 2020年11月3日閲覧。
関連項目
- 第3外人歩兵連隊 - 警備のためにクールーに駐屯している。
外部リンク
- 公式ウェブサイト(英語)(フランス語)
- 地図 - Google マップ
ギアナ宇宙センター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/15 19:13 UTC 版)
「フランス国立宇宙研究センター」の記事における「ギアナ宇宙センター」の解説
詳細は「ギアナ宇宙センター」を参照 ギアナ宇宙センターは1964年にフランス領ギアナのクールーに設置された。欧州の宇宙港と呼ばれ、ここからアリアンロケット(まもなくソユーズとヴェガロケットも)が宇宙に向けて送り出されている。信頼性と安全性に優れ、稼動力が高い宇宙基地として、CNESはESAおよびにアリアンスペース社にギアナ宇宙センターを提供し、フランスの名において施設と職員の安全を保障している。ギアナ宇宙センターは、赤道に近く、絶好の地理的条件を満たしている。地球の回転速を利用して東方向へ打ち上げができ、又北方向へ打ち上げた場合4000キロまで海上を飛行するのでリスクも最小限にとどまる。
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